Ster2
「あれ、星歌…」
石垣の上に座って海を眺めていると海の音と共に温かな声がかすかに響いた。
声がする方を見ると、朝の光に照らされた葉のような色をした目と少しウェーブがかかった亜麻色の髪が海風と共に揺れていた。
「…幸哉くん。おはよう。朝練?」
「朝練ってほどでもないけど…最近体力づくりに朝走っているんだ。星歌がここにいるなんて珍しいな」
優しい笑みを浮かべる温かな声の主は、早瀬幸哉くん。
唯一中学・高校と同じで、家も近い。野球部に所属している。
「そうかな?海、好きだよ?小さな頃は毎日のように海に行ってたから」
「俺も海が好きでよくこの辺を走るんだ。…星歌、久しぶりに今日一緒に帰れないか?部活あるから少し待っててもらわないといけないけど…」
幸哉くんの頬が少しだけ赤くなるのが目に映る。
「ふふふ…いいよ。高校になってまだゆっくりお話ししてないものね。すこし練習を見に行ってもいいかな?」
「もちろんだよ、ありがとう。それじゃ、また学校で」
さわやかな海風と共に走っていく後ろ姿。温かな声と笑顔。
海の様で、まるであの人を見ているみたい。
守りたい、大事なもの。
星の歌を海で。 Sonata @Nocturne92
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