【真夜中の冒険】みづき(45歳)〜ひと晩だけのシ・ン・デ・レ・ラ

佐伯達男

みづき(45歳)〜ひと晩だけのシ・ン・デ・レ・ラ

「ただいま…」

「お帰りなさい…」


時は、1月の第4週の火曜日の夜7時過ぎであった。


家の居間にて…


アタシ・みづき(45歳)のダンナ(44歳・管理職)がものすごく疲れた表情で帰宅した。


1月の第4週は、高2の長女と中2の次女のふたりは修学旅行に行ったので家に不在であった。


アタシはダンナと恋をする時間ができた。


けれど、もどかしい気持ちを抱えていた。


次女が生まれて以降、夜の営みがない…


さみしいわ…


アタシは、ダンナの背中に抱きついたあと甘えた。


「ねえあなた…」

「なんだよぉ…」

「ねえ…キスして…アタシ…ガマンできない…」

「オレ…しんどいのだよぉ…」


ダンナは、アタシに『しんどい』と言うたあと寝室に入った。


その後、グーグーとイビキをかきながら寝ていた。


つまんなーい…


ダンナと恋を楽しみたいと思ったのに…


しんどいから寝るなんて…


さみしい…


~んもう…


みづき…


どっかへ行っちゃうもん…


この後、アタシは鏡の前に座って、念入りにメイクをした。


この時であった。


アタシの乳房むねの奥にフウインされていたオンナノコの気持ちが目覚めた。


メイクをした後、アタシは長女が毎月購読している『セブンティーン』(自分磨き雑誌)の特集で女子高生モデルのコが着ていたオシャレ着(ひそかに買っていた流行りの服)をクローゼットから数枚出した。


どれを着て行こうかな♪


アタシは、ルンルンとした表情を浮かべながらオシャレ着を選んだ。


それから30分後であった。


アタシは、恋するオンナノコに変身した。


さあ、真夜中の冒険にしゅっぱつよ(ルンルン)


時は夜9時頃のことであった。


場所は、原宿ジュクの表参道にて…


よいのうちの大通りに、ジョシカイ帰りの若いOLさんたちと大学生たちのグループと若いカップルさんたちと男性客とドーハンでナイトクラブへ出勤しているホステスさんたちとギャルメイクをしているギャルママさんたちと合コン帰りの大学生たちのグループたちが往来していた。


45歳の二女のママから遊びたい盛りのギャルに変身したアタシは、夜の原宿をめいっぱい楽しんだ。


ティーン雑誌で話題のあのお店…


女子高生に人気のアクセサリーショップ…


……


ああ…


どこへ行こうか迷っちゃう〜…


それから80分後であった。


ところ変わって、竹下通りにあるマクドにて…


アタシは、ひとりでビッグマックのセットを食べていた。


アタシの周囲の席に、若いカップルさんたちがたくさん座っていた。


注文した料理を食べながら楽しくおしゃべりしていた。


そんな姿を見たアタシは『どうしてダンナと結婚したのかなぁ~』とむなしい気持ちになった。


そこへ、イケメンの魔法使いさんがフィレオフィッシュのセットを持ってアタシのもとへやって来た。


「ここ…いいかな…」

「えっ?」

「おじょうさん…よかったらぼくと一緒に食べない?」

「あっ、はい…」


イケメンの魔法使いさんは、テーブルの上にフィレオフィッシュのセットを置いたあとアタシの向かいの席に座った。


イケメンの魔法使いさんは、アタシに『どうしたのかな?』とアタシにたずねた。


アタシは『ダンナが抱いてくれない…』とさびしげな声で答えた。


イケメンの魔法使いさんは、私にこう言うた。


「ダンナさんが抱いてくれないのだね…最後にダンナさんとしたのはいつ?」

「次女が生まれてくる10ヶ月前よ。」

「それから14年の間、ダンナさんとしてないのだね。」

「うん。」


イケメンの魔法使いさんは、コーヒーをひとくちのんでからアタシ言うた。


「おじょうさんとダンナさんは、どうやって出会ったの?」

「お見合いよ。」

「お見合いね。」

「アタシが26の時に、バイト先の飲食店の近くの呉服屋さんの夫婦の仲人でダンナとお見合いしたの…デートは…あんまりしてないわ。」

「デートに行ってないのだね。」

「デートができたのは、ダンナの空いている時間…うーんと…30分だけよ。」

「ただごはんを食べただけなんだね…」

「うん。」


アタシは、コーヒーをひとくちのんでからイケメンの魔法使いさんに言うた。


「今週は、二人の娘が修学旅行に行ってるのでダンナとふたりきりよ…なのに『しんどい…』と言うて先に寝るからつまんないも〜ん。」

「つまんないも〜ん…か…では、ぼくがおじょうさんを遊びたい盛りのオンナノコに変えてあげるよ。」


イケメンの魔法使いさんは、アタシに恋の魔法をかけた。


『遊びたい盛りのオンナノコになあれ~』


イケメンの魔法使いさんの呪文を唱えたあと、アタシの身体を魔法のオーラが包んだ。


アタシは、イケメンの魔法使いさんのマジックで遊びたい盛りの女子高生の姿に変身した。


髪の毛にピンクのラメラメのカチューシャ、白のブラウスとマゼンタのリボンにネイビーのエンブレムつきのブレザーとマゼンタとグレー系のチェックの折り目がついているスカートと足元はルーズソックスと黒の通学靴の姿…に変身したアタシは、喜んだ。


わ〜い…


かわいい女子高生姿に変わったわ〜


イケメンの魔法使いさんは、アタシにこう言うた。


「恋のマジックは夜明けまでだよ…たしか…あすの日の出の時間は…翌朝7時ちょうどだったね…翌朝7時を過ぎると、恋のマジックが解けるよ…それまでにはダンナさんのもとに帰るのだよ。」


イケメンの魔法使いさんは、アタシに言うた後、店から出た。


深夜11時55分頃であった。


場所は、六本木のディスコにて…


カラフルなスポットライトがホールに店内に煌めいた。


大型スピーカーからバナナラマ(イギリス出身のガールズグループ)の歌で『ヴィーナス』が大音量で流れていた。


女子高生姿のアタシは、店内にいる若いコたちと一緒に踊りまくった。


深夜0時30分頃であった。


おどり疲れたアタシは、カウンターの席に座って休憩していた。


そこへ、20歳くらいのイケメンの大学生の男のコがアタシのもとにやって来た。


「おじょうさん…ひとり?」

「えっ?」


(ドクン…)


ダンナ以外の男性から声をかけられたアタシは、ドキッとした。


同時に、乳房むねの奥でドキドキとした気持ちが生じた。


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


男のコは、アタシが座っている右となりの席に座った後、ハイネケンビールを注文した。


アタシと男のコは、約40分の間たのしくおしゃべりをした。


その後、アタシは男のコと一生に深夜のデートに出かけた。


男のコとアタシは、西麻布にしあさぶにあるカラオケボックスへ行った。


男のコとアタシは、120分の間わかい子たちが歌っている歌のナンバーを歌いまくった。


時は、深夜3時30分頃であった。


ところ変わって、カラオケボックスの近くにある公園にて…


男のコとアタシは、深夜の公園をおててをつないでゆっくりと歩いた。


このあと、男のコはアタシを生け垣の向こうへ連れて行った。


アタシの乳房むねの奥でより激しいドキドキが生じた。


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


ねえ…


ちょっと…


ああ…


ダメ…


男のコは、アタシをその場に寝かせた。


その後、アタシの身体を気絶するまでぎゅうぎゅうに押さえつけた。


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


イヤ…


ダメ…


ちょっと…


なんでアタシを手込めにするのよ…


ああ…


力が…


ぬけちゃった…


…………


男のコは、アタシが気絶したあと黒の通学靴を脱がした。


その後、白のルーズソックスを強引に脱がした。


つづいて、チェックの折り目がついているスカートをくしゃくしゃに乱した。


ダメェ…


恥ずかしい…


アタシはダンナがいるのよ…


アタシをダンナのもとへ返してよ…


男のコは、アタシが着ているブレザーを開いた。


つづいて、マゼンタの小さなリボンをほどいた。


その後、白のブラウスのボタンをはずした。


やめて…


男のコは、いやがっているアタシの身体をキスでむさぼり続けた。


アタシの乳房むねの奥にフウインされている女の願望が目覚めそうになった。


ヤダ…


目覚めちゃう…


乳房むねの奥にフウインされている女の願望が…


で目覚めちゃう…


男のコは、ブラウスをひらいたあと下に着けている白のフリルつきのブラジャーのストラップをずらした。


その後、ずらした部分にキスをした。


ヤダヤダ…


女の願望が目覚めちゃう…


そこへ、イケメンの魔法使いさんが声をかけた。


『今、5時55分だよ…もうすぐ魔法が解けるよ…早くダンナさんのもとへ帰らないと…』


そんなこと言うても…


ああ…


ダメェ…


身体が言うことを聞かない…


男のコは、ものすごくコーフンした表情でスカートの中に手首を入れた。


アタシはそこで目ざめた。


「イヤ…ごめんなさい…アタシ…」


アタシは、起き上がったあと顔を両手で隠した状態で逃げ出した。


朝6時49分頃であった。


場所は、家の前にて…


着衣が乱れている状態で帰宅したアタシは、荒い息づかいをしながら家に入った。


それから数分後であった。


ところ変わって、浴室の脱衣場にて…


イケメンの魔法使いさんが、再びアタシのもとへやって来た。


「お帰りなさい…どうだった?」

「えっ?」

「どうしたのかな?」

「アタシ…どうすればいいの?」

「どうすればいいのって…」

「アタシ…ダンナになんて言えばいいの?」

「心配はいらないよ…もうすぐマジックがとける時間だよ…」

「えっ?」

「もうすぐ日の出の時間だよ…」


そして、日の出の時刻が来た。


同時に、アタシのマジックが解けた。


アタシは家を出た時の服装に戻った。


同時に、魔法使いさんはいなかった。


イケメンの魔法使いさん…


どこへ行ったの…


ところ変わって、ベッドルームにて…


アタシは、普段着に着替えていた。


この時に、ダンナが目覚めた。


シルクのキャミソールショーツ姿のアタシを見たダンナは、ニヤニヤした表情でアタシを見ながら言うた。


「みづき。」

「キャッ…」

「かわいい…」

「ヤダ…恥ずかしい…」


アタシの下着姿を見て激しくコーフンしたダンナは、アタシの背中をギュッと抱きしめた。


「みづき…」

「ああ…」


(ギュッ…)


アタシの背中をギュッと抱きしめたダンナは、アタシの身体に付着しているコスメのにおいをかいだ。


(くんくんくん…)


ダンナは、いぢわるっぽい声でアタシに言うた。


「(長女)が使っているコスメをまた使ったね。」

「ヤダ…恥ずかしい…」

「ふふふふふふ…それでは、オシオキしちゃおうかな♪」


このあと、ダンナは白のブラジャー・ショーツ姿にした。


そして…


ダンナは、下着姿のアタシをひざの上に載せた。


「みづき…」

「ああ…ダメェ…」


ダンナは、白のブラジャー・ショーツ姿のアタシを舌でなめ回した。


ああ…


ダメェ…


はずかしい…


………


【おしまい】




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