第102話 日記20241015 打ち合わせ

 今日は客先との打ち合わせだ。

 仕事は技術的側面というよりはお客様から生じる問題の方が大きい。


 お頭のよろしくないお客様がお手をお抜きになられますと、こちらは大変に苦しむのでございます。


 ありていに言えば赤字が膨らむのだ。


 今回のお客はよくあるタイプの仕事は出すが仕様は出さない客だ。

 つまり仕様書を書くのを面倒臭がる人間ということになる。

 ここらの仕様が判らないのですがとこちらから聞くと、何が判らないんだと逆切れする。

 それでも課長さんが色々取り持ち、ようやく初めての全体会議にこぎつけた。

 ・・の予定だった。

 当日になって先方の都合が悪くなりましたと連絡が入る。また別の日付で会議をお願いしますと但し書きがつく。

 

 うぬ。それを聞いて火花を散らせながら歯をガチガチと噛み合わせた。

 目からは怒りの眼光を放ち、逆立った髪の毛の先という先から電光を発する。

 閉じた唇の間からぶしゅうと音を立てて呪いの息が漏れる。

 

 いかん、いかん。まだ鬼になるのは早すぎる。

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