第101話 日記20241014 射殺
ケネス・ダーリントンという教授が道路封鎖していた環境保護活動家を射殺した。
そのことを載せたユーチューブでは我らがヒーローとはやし立てる。
ちょっとAI君に頼んで調べてもらった。
きっかけは鉱山開発会社の立てた計画で、自然保護区の中に鉱山を作り最長40年間にわたって掘り続けようというものだ。
その結果数種の絶滅危惧種が滅び、下流域の住人が重金属中毒で大勢病気になると予測されている。まさに破壊的と言ってよい開発計画なのだ。
もちろんそれでも金のためなら気にしないのが企業というものだ。
つまり一般に言われているような環境活動家たちによるインフラテロではなく、むしろ悪の開発会社の暴挙から人々を救おうとする環境活動家のヒーローたちの行動とも言える。
この弁護士で教授の男は、以前に違法な銃の所持で捕まっている。色々と黒い噂がついて回っている。
教授とか弁護士とか肩書はついているが、その実はひどく暴力的な男であることは間違いない。でなければ見知らぬ人間二人を銃で確実に撃ち殺すという行動はできるものではない。
拳銃はそのイメージとは違って、殺人に至るには一種の執念というものが必要になる。人を殺すためには急所付近に何発も撃ち込まねばならない。
その点では当たればまず死ぬ小銃やライフルとは異なる武器なのだ。
そう考えると、遊び半分の報道のユーチューブが広めたがっているダークヒーローとはまた別の像が出来上がる。
果たしてこの裏で金銭のやり取りがあったかどうかは不明だが、今回のように殺される環境活動家の数は多い。それほどまでに開発会社に取っては彼らは邪魔な存在なのだ。
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