第11話 日記20240510 客引き

 夜の透析の部が終わり家に帰る途中には客引きの大群がいる。


 最初の交差点の角に立つのは女の子の客引きだ。ガールズバーどうですかと道行く人に声をかけている。コートを来て、雨の日も風の日も雪の日もただひたすらに立ち続けている。実に勤勉だ。

 やよい件に向かう次の角にはまた別の女の子だ。横に電飾看板を立てて客を引いている。

 ご飯を食べてから駅前に出ると道路にはみ出す形でスーツ姿の男の人たちが五人ほどお酒を飲まないかと声をかけている。

 さらにその先の商店街の入り口でたむろしているのは十人ほどの外国人の男たちだ。たどたどしい日本語でフィリピンパブはどうかとかロシアンパブがどうとか声をかけている。

 365日がこれだ。実にうっとうしい。


 店の入り口での客引きはぎりぎり合法だが、遠くへ出ての客引きは違法なので、こういうのに迂闊に着いて行くとひどい目に遭うのが予想できる。


 ここの警察はわずか2メートルもない横断歩道を赤で渡る一般市民にはうるさく文句を言うのに、こういうときには姿を見せない。

 きっと陰では警察とこういったキャバクラが癒着しているのだろうなと私は勝手に想像している。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る