第12話 日記20240511 牛の頭

 オープンAIと牛の頭の向きについて議論する。


 『ハックルベリー・フィンの冒険』という物語がある。

 作者はマーク・トウェイン。『トムソーヤの冒険』の作者である。

 トムソーヤのスピンオフのようなものでトムソーヤよりも名作だと言われている作品である。

 この話の中に『座っている牛の群れは立ち上がるときは一斉に立ち上がり、そのとき頭は常に北を向く』というのがある。

 実はサイエンスという雑誌のコラムでも似たような研究結果を聞いたことがある。

 これについてAIとお話をしたのだ。

 AIは『そのときの環境による。主に群れの中で一番強いボスの方を向くことが多い』と主張した。


 もっとも言語生成が主のオープンAIに科学的知識の完全性も論理性も期待してはいけない。物理現象でも何でも穴だらけの論理を平気で展開してくるからだ。

 つまりこのAIは入手した知識の断片を適当に繋ぎ合わせて、言葉をそれらしく飾ってから提示しているだけに過ぎない。


 まあそれでもその言い訳の様が入社したての新人が精いっぱい自分を賢く見せようと頑張っているのにそっくりで実に微笑ましい。

 いつの日にか彼らは会話した相手の人間を激怒させるまでに成長するだろう。

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