第5話 説教タ~イム!

 白い「Tシャツ」とやらを着たゴンザレス。

 派手な木の絵が描かれたシャツを着てるギグ。

 二人を硬い床に正座させて──。


 な・じ・る♡


「ゴンザレス?」


 ビクッ!


「ギグ?」


 ビククッ!


「村の人達がどれだけ心配したと思ってるの?」


「うっ……それは……」


 デカい二人の体が見る見る縮こまっていく。


「なに? こんなワープしてきた異郷の地で? こんな浮かれた服を着て? で、こんなアイス? とやらを食べてたんだ? へ~……」


「いや、これにはわけが……」


 じろ~~~。


「うぅ……特にないです……」


「つまり知ってて連絡しなかったってわけね?」


「しなかったんじゃなくて忘れてたんだよ、パル」


「忘れてた? わ・す・れ・て・た・ぁ? へぇ~~~? そんな忘れるくらいどうでもいいことだったんだ~? 私やモップがどれだけ苦労したか……。ゴンザレスがいなくなった時にギグもわかってたよね? でも、それでも忘れてたんだ? へぇ~? 私たちよりこっちを取ったわけだ?」


「うぅ……そう言われると返す言葉もない……」


 長身のギグの頭がシュンとうなだれる。


「まぁまぁ、嬢ちゃん。それくらいにしとってやっても……」


 ぎろり!


「うっ……」


 声をかけてきたツリ目のふんどし男を睨みつける。


「ふんどし……いえ、締め込みさん。これはの話なんで、部外者は黙っといてもらえます?」


 にっこり。笑顔光線。


「うぅ……別にそげん部外者ってわけでもないと思うっちゃけど……」


 に っ こ り 。


「は、はい……。なんだよこいつ、やりにくいな……」


「なにか言った?」


「いや、言っとらん! ず~っと黙っとったばい……? うん、ほんなこつ……」


「……まぁ、いいでしょう。さ、じゃあなんでこんなことになったのか、一から順に説明して」


「お、おう……」


 ゴンザレスとギグ、そしてふんどし男たちの数人が順序立てて説明していく。



 ☆★ようや~~~く(要約)★☆


 ① このふんどし……じゃなくて締め込み男たちは「山笠やまかさ」って祭りのチームなんだって。


 ② チーム名は「阿方流あがたながれ


 ③ その阿方流は山笠に参加するチームの中で万年最下位らしい。


 ④ だから、たまたまこの事務所から一日一回繋がるワープを通ってインジャ村に「き手(要するに選手ね!)」をスカウトに来てたんだそうで。


 ⑤ それで一昨日はゴンザレス。昨日はギグ。今日はモップをスカウトしてたってわけ。


 ☆★要約おわり~~~★☆



 ホワイトボードというものにキュキュとメモを取りながら聞いてた私はダンッ! と筆をボードに突き立てる。


「問題は二点ね! まず一つ! ギグがゴンザレスがちゃんと連絡を残していかなかったこと!」


「うぅ……ごめんなさい……」


 ゴンザレス&ギグはもはや一回転しそうなくらいにうなだれてる。


「そしてもう一つは!」


 キッ!


「うっ……」


 締め込み男たちを睨む。


「私はインジャ村の業務を取り仕切ってるパル=アークスです! 今後、村でなにかする場合は、まず私を通してください! いいですね!?」


「は、はい……。すみませんでした……」


 気圧けおされた様子でそう呟く締め込み~ズ。


 はい、解決☆

 あ~、スッキリ!

 やっぱりこうやってチャキチャキ問題を解決していくのは楽し~☆

 締め込み~ズたちにも謝ってもらえたし、これからは農閑期にゴンザレスたちを貸し出してもいいかもね、うん!

 ま、それはそれとして今は村での仕事もたっぷり溜まってるし、まずは……。


「さ、じゃあゴンザレス、ギグ、帰るわよ!」


「え? ムリだけど」


「ん? ムリって?」


「さっき言ったじゃん。村へと繋がるのは一日一回だけって」


「? ってことは?」


「うん、あと一日こっちにいなきゃいけない」


「えぇぇぇぇぇ!?」


 そんな……みんな心配してるだろうし……。

 モップも……。


 と、村へと思いを馳せていると、やけにドスのいた声が外から聞こえてきた。。


「もしも~し! 阿方流の若手のみなしゃ~ん、おらっしゃ~かいな~!?」

 

 私は眉をしかめる。


(なんか……癇に障る声)


 なんとなく私は、グリゴアの森に住む不潔なダミ声の獣──『セカラチカハピ鳥』の姿を思い浮かべていた。



 ────────────


 【あとがき】


 ここまで読んでいただいてありがとうございます!


 明日は6~7話を投稿します!

 ヘイト役登場&先々の目標決定までがそこで終わるので、ぜひ7話まで読んでほしいです!


 ちょっとでも「パルちゃんが男どもを尻に敷いて異世界&阿方流の最強チーム作りあげるの見たいかも!」と思われた方はブクマ、ハート、『★★★』いただけると嬉しいです!

 では、また6話でお会いしましょう~!

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