第4話 ふんどしだらけ!

 知らない部屋。


 っていうかなに? 夜だったよね?


 部屋の中明るすぎるんだけど?


 しかも、ふふふふふ……ふんどし、だら、け……!


 もつれて転がってる私とふんどし男(ツリ目)。

 そしてそれを取り囲んで見下ろしている六人のふんどし男たち……。


 あわわわ……。


 これ終わった……私、蛮族に食べられちゃう……。 

 

「な~んや、ショウ? き手ば連れて来るっちゃなかったとや? なんで女げな……」


 うわっ、こっちもなまってるなぁ。

 どうやら私が捕まえた男の名前は『ショウ』というらしい。

 ショウ。

 変な名前。


「いや、これはちが……! こいつが勝手についてきて……!」


「はぁ~!? あんたが逃げるから追いかけたんでしょ! 誰が勝手についてきたってのよ! この人さらいっ!」


「なんやショウ? お前、捕まったとや?」


「ちげ~って!」


「違うくないでしょ!? ゴンザレスとギグを返しなさいよ!」


「ほらほら、二人ともそげんイチャつかんでも……」


「イチャついてないっ!」

「イチャついてなかっ!」


 私とふんどし男──ショウの声が重なった。


「あのぉ~……」


 ふんどし男(「ふんどし~ズ」と命名)の中で一番おとなしそうな「ぬぼ~」っとした男がおずおずと声を上げる。


「その女の人、『人さらい』って言いよんしゃったけど、もしかしてショウ……ちゃんと説明しとらんちゃない?」


 私の腕の中のショウの顔が青ざめていく。


「あ……いや……ちげ~って、説明しようとしたらこいつがやね……」


「誰が『こいつ』よ! いい加減にしなさいよ、ふんどし蛮族!」


「やけん、これは『ふんどし』やなくて『締め込み』って言いよろ~が!」


「どっちでもいいわよ!」


「よくなか!」


 白熱する私とショウ。

 と、その時、聞き慣れた声が耳に入ってきた。


「あれぇ~? なんか聞き覚えある声がすると思ったらパルじゃね? こんなとこでなにしてんだ?」


 ……は?


 ゴンザレ……ス?


 あんた……なにしてんの?


 子供の時から散々見てきたゴンザレスが変な服を着てひょこっと顔を出した。


「え? パル? どこどこ?」


 おまけに……ギグまで。


「あれ? モップを連れてくるんじゃなかったの? なんでパル? 女は山笠ダメなんでしょ?」


 なに……?


 あんたらもこの人さらいに一枚噛んでたってわけ……?


 は? なにそれ……?


 それってなんかめちゃくちゃ……。



「あんたら!」

「は、はいっ!」



 腹が立つんですけど!



「二人並んでそこに正座しなさいっ!」



 まとめてお説教の時間です!

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