3章(3)さーて、お散歩に行くわよ!

 神獣だとか魔獣が出た! という騒動は稀にある。

 やれ自警団がやられただの、騎士団が出向くだの、の騒ぎになって持ちきりの噂になるから、彼女もよく知っている。

 そう聞いていても実際に捕まえてみると、ちょっとだけ大振りで乱暴な、ごく一般的な野生動物だった、というオチばかりである。

 ふつうは。


「それも天劫のせいでわからなくなって……?」

 もう何でもかんでもそのせいにするしかない。

 アデルは神妙そうに頷く。

 きっと事情に詳しい者も失われたのだろう。これなら、首都にいる前大公妃の方が詳しいくらいかもしれなかった。


(ああ、もしかしてそれで首都にやってきたのかしら?)

 初めて会った日、彼らは身内に会うために首都へ向かったと言っていた。前大公妃になら、当時から付き添いとして従い、今でも側仕えしている者もいるはずだろう。

 その人たちに会いたかった、というのならわからないではなかった。


「あの……」

 それなら、自分も力になれるかもしれない、と彼女は思いついた。

 アデルは知らないだろうけれど、その手の情報を集めているだろう機関に心当たりがある。


(でも、アデルたちのためだけでは、ないわ)

 このすっきりしないノレイアという国の印象、もやもやとしたはっきりしない正体を掴みたい、という気持ちが彼女自身にも生まれている。

(どう考えてもおかしいもの。あの顔のどうかしている鳥もそうだし、この獣もそう。こんなものが実在するなんて、聞いたこともない。この国だけ……)

 どこかおかしい。どこかずれている。


 まるで、何かにゆがめられているかのように不自然だ。


 彼女が思いつきを提案しようとしたとき、バメイがやってきて王子の注意を引いた。なにかしら耳打されて、すっと彼の顔が曇る。

「では、薬師に薬草を用意させよう……。ああ、それに俺も行った方がよさそうだ」

 答えて、ベルナデットに向き直る。

 その瞳に陰が差した。いい話では、ない。

 ああ。不穏だ。


「何か?」

 アデルの説明を待てずにベルナデットは尋ねた。

「何かありましたの?」


「ルシール殿に少し」

 ベルナデットは息をのむ。

「あれから熱が下がらないようだ。気を張っていたのが緩んだのだろうね。土地柄のせいか、気候の変化について行けず体調を崩す者も稀ではあるがいるんだ」

 旅人がやってくることも、ごくたまにはあるのでね、と付け加えた後、少し逡巡してから彼は質問した。


「失礼な問いかもしれないのだけれど……。彼女のルーツは、東の、とても遠い国だね?」

 ベルナデットは頷く。隠してはいない。それに国名まではいらないだろう。

「では、そういうことなんだろうね。休めばよくなるはずだよ。ちょっと行って薬の手配をしてくるからね。しばらくここで待っていてくれないか」


(そういうことって?)

 意味がわからない。でも、今はそれはいい。ただ、月琳が心配だ。

「それなら、私も。私が行かなくては。そばに……」

 アデルは、そっとためらいがちに、けれど優しくベルナデットの肩に手を置いて頭を振る。


「君は体調を崩していないよね? 万が一別の病いであってはいけない。すぐに貴女と対面させることはできないよ」

 ベルナデットは彼を見上げた。

「もし、風土が合わないだけなら、休息すれば数時間で復調するからね。これについては、少し慎重にさせて欲しい」


 でも……、とベルナデットは思いきれない。

「首都にいる、君が知る薬師ほどの技術はないかもしれないけれど、いつも俺たちが世話になっている人間に任せて欲しいんだ。君にとって大事な人なら、俺にとってもそうなるのだから」

 優しい言葉も素直に受け取れず、ベルナデットは両手を握りしめた。冷静ではない。わかっている。おろおろと慌てるだけの身内がいても邪魔にしかならない。


「だけど」

 ルシールの様子を、ベルナデットは直接見たかった。どんな様子か確かめたかった。

「ねえ、ベルナデット。彼女は目覚めた時、君の従者は付きっきりで側にいたことを喜ぶ人だろうか? それとも、すべきことをしておいて欲しいと思う人だろうか?」

 彼女はスッと息を呑んで真顔になる。核心をついてくるではないか。


「思いがけず……。意地の悪い言い様をされますのね」

 彼はにこっと笑う。


「嫌いかい? そういうのは」

「……。いいえ」

 悔しいが、彼の言う通りだ。もしベルナデットが看病などに時間を費やしたら、ルシールは自分で自分を許せないだろう。


 よかった、と彼はワイスを示した。

「私としてはこいつを気に入ってくれると嬉しい。大人しくていい奴なんだ」

 強面だけどね、と微笑む。力なく、彼女は頷いた。


 ワイスとの相性を知りたいのだろう。それほど、彼にとっては大事な存在ということ。

 ただの“飼い犬“なら、なぜそこまで? 


 ベルナデットたちには知りえない風習でもあるのだろうか。

 主人たちの会話をわかっているのか、ワイスはのんびりと大あくびをする。

 大きな口ではあるけれど、大人しいのは事実のようだった。

 

 アデルがバメイと共に館に去っていくと、彼女は大きくため息をついた。

(月琳の不調に気づけなかった……)

 忸怩たる想いがある。


 いつもの状態ではないとわかっていた。その理由が、常ならぬ高山に来たからだけとは到底信じられない。

 それに彼女は細身だけれど、身体はごく頑強なのだ。だからこそ、護衛も従者も務まる。


 だいいち。

(民族の違いが身体に影響する、みたいなこと、本当にあるのかしら)

 アデルはそう推測していたけれど、彼女は疑っている。

 ベルナデットは鬱々と俯いた。水が合わないなんて理由、あまりに今さらだ。

 イライラを募らせたまま爪を噛もうとして、はたとやめる。幼い頃の癖で、イネスにもルシールにも何度も注意された。元気になったルシールの小言の種になってしまう。


 ふ、と彼女は自嘲する。

 異国から流れてきた一族を先祖に持つとはいえ、彼女たちはずっとベルフォールの民だ。ずっと一緒にいて育ってきた。

 大きな砂漠を越えた場所にあるという、龍に守られた皇帝が統治するという国。その辺縁国を発祥とする事実が、今になって、とベルナデットは落ち着かない。

(もう、とっくに月琳は私たちの国の者よ……)


「東方の者か。ならば、おそらく守護の神が異なるのだろう」

「守護……。つまり、神様の違いってこと?」

 ルシールが小さな神様の像を持っていたことを、ベルナデットは思い出した。


「そうね……。そうだわ、そういえば月琳は異国のお守りを持っていたわ……。それぞれに決まった守護神を持つ伝統だとか言ってたかな。その関係かしら」

 いつも胸元にしまって他人に見せることは滅多にない。ベルは特別だから、ともっと小さい時分にちょっとだけ見せてくれたことがある。


「ふむ……。なるほど。神々同士が初見であるという軋轢だろうな。誰しも知らない神を掲げた異邦人には用心深くなるものだろう」

「確かに」

 それは一理あるかもしれない。神々は姿はなくても息吹として偏在する、と彼女も信じている。


「とはいえ、異なる信仰を持ち込んだというほどのことではない。時間が経てば解消する。おそらくな」

「そうね……。それならいいんだけど」

 もし、そんなことでいちいち人命が失われるようなら東西交流などできるはずもない。ルシールの一族も、ベルフォールまで流れて来れようもない。

 それが自然な考え方だろう。


 と、ベルナデットは息を呑む。さっと血の気が下がる。

(今……、私、誰と話を?)


 背後に気配を感じる。何者かの息づかい……。会話をしていた相手であるのは、間違いない。

 彼女は恐る恐る振り返った。


「なんだ、心外そうに」

 寝そべっていた狼は身体を起こしてベルナデットを凝視していた。


「驚いたのはこちらだ。俺と会話ができるとはな。そういう能力を持った女なのか。事のほか珍しい」


(いやいやいや?)

 ベルナデットは激しく首を振った。


(そんなことできませんけど!)


 それが可能なら、父親は喜んで娘に熊と話をさせているだろう。

 今までベルフォールの熊はもちろん、鹿だろうと兎だろうと会話できたことはないし、身内でもそんな話を聞いたことはない。

(大体、気軽に動物と会話できたら、おちおち狩りもできないし!)


 それはともかく、だ。

 世間でいう、辺境伯がしている熊との異種間交流というのも高度なアイコンタクトのなせる技で、本当に意思疎通しているかといえば本人以外には確証の持てない種類なのだ。

 ましてや、こんなに明確なコミュニケーションなど。


「ふん。ならばどういうことだ? アデル坊やでさえ俺と話せないというのに」

「あ……、そう。そうなの……。へえ……」


(などと言われましても!)


「それは、私にはわからないわ……」

 そのくらいしか返事のしようがない。

 ワイスは大きな口を開いて、彼女にふっと息を吹きかけた。前髪が晒されて露わになる。ぎらぎらと鋭い歯がちらついていた。


「魔女には見えぬな……。どうにも間抜けそうな女だ。アデル坊やの外見に惑わされて、こんな田舎までついてきたといったところか」

 狼は鼻で嗤う。咄嗟に否定できなくて、彼女はぐっと言葉を吞む。


「お前のような浮ついた女の魂胆は、大概ひとつに決まっているからな」

 見透かした口調で、ワイスは続ける。

「酷い偏見ね」

 しかし、まるきり外れでもない。メンクイなのは本当だ。

「違うとでも言うのか?」

「まあ……。全く違っていなくもなくもないわね……」

 素直な返事に、ほらな、と狼は勝ち誇る。


「俺は王子の守護者だ。あいつに仇なせば、お前の係累すべてを喰らい尽くしてやるぞ」

 ガッと息を吐く。犬臭い空気が髪と言わず衣装と言わずに吹き飛ばし、彼女を脅す。吠えはしないあたり、王子の客という遠慮だろうか。


「それは……。なんとお父さまが喜びそうなことを……」

「何?」

 ワイスは首を傾げた。そうすると犬らしく感じる。

 大型すぎるけれど、アデルにとっては可愛い忠犬なのだろう。なんとなくそう信じられる気もする。


(お父さまにとって熊が友人であるように)

 正直、この手の男? 獣? の友情はよくわからない。ではあるけども、とベルナデットも釣られて小首を傾げる。


「それはいいのよ。そうケンカ腰にならないでくださる? 確かに、私が顔面偏差値を重要視することは否定できません。けれど、そうそういい加減な覚悟でやってきたわけでもないのよ」

 ベルナデットは、んん、と喉を鳴らして自分のペースを整えた。


「貴方には無縁かもしれないけれど、人間の社会にはそれなりのルールとかしきたりというものがあって……。そのいろいろややこしい事情があるのです」

 何を獣相手に説明しているのだ、と自分でも思う。

「その辺はおいおい理解してもらうとして、それよりも」

 彼女はワイスの毛皮を掴んで、木枠越しにぐいと顔を寄せた。


「貴方、神獣? 魔獣? それとも精霊なの? この国は、他の地域といろいろ違いすぎるわよね。それって天劫のせいなの? それでこうなってるの? ねえ、知ってるんでしょう」


「うるさいぞ!」

 放せ、と狼は頭をぶるんと振った。ベルナデットはぽんと飛ばされそうになるのを、どうにか踏みとどまった。


「馴れ馴れしい女だな。俺が何者か、そんなにも知りたいのか」

 狼はぎろりと金色の瞳で彼女を見つめる。


 いや。そりゃ、そうでしょう……、とベルナデットは小声で返事をした。


「そんなもの、俺にわかるわけないだろう!」


(え! 偉そうな態度でそれ?)

 ベルナデットは閉口した。


 ワイスは鼻を鳴らす。

「天劫が起きた頃、俺とてあどけない子狼だ。俺の父親たる先代は、前ノレイア王を守って焼け死んだからな。詳しい話を聞く時間はなかった」


(あら。大きさの割に、そんなに年でもないのね……)

 それとも成長速度が人間とも普通の狼とも違うのか。


「そうね。一応、一理あるわね……」

 人間の記録が失われたのだから、いくら不思議な生物とはいえ、情報はすべて口伝だろう獣の記憶が伝わっている理由もない。


「もしかしたら、宮殿……、ああ、あの四阿あずまやではないぞ。本来の王宮だ。そこになら何か残っているかもしれんな」

 狼はふいっと頭を彼方に向ける。


「もっとも炎竜の目を盗んでの捜し物など、到底できるものではなかろうが」

「そうなの?」


「さあな? 燃えて灰となっているかもしれん。なにしろお前らの記録は火に弱いからな」

「それはそう」

(でも、自分達は記憶勝負じゃないの……)

 都合よく棚にあげた適当な返事だ。要はよく知らないということなのだろう。


「何よ、偉そうなこと言って。覚えていないくせに」

 狼はふん、と顔を背けた。

「そんな昔の話よりも、今は貴様の従者だろう」


「なによ。アデル様が診てくださるって……」

「それでいいのか? 神々の加護による不調であれば問題ないが、まさか火の種を飲み込んだりはしていないだろうな?」

「していないと思うけれど……。っていうか、それはなに?」

 狼は、知らぬのであれば断言などできぬだろうに。浅慮だな、ときっちり彼女を腐す。

 いちいち一言余計だ。


「火の種は、この辺りの動植物を狂わせている元凶だな」

 そんな話は聞かされていない。ベルナデットは表情を引き締めた。


 やはり知らんか、と狼は一度まばたきをして、彼女をちら見する。

「炎竜のやつが羽ばたく度、周辺にまき散らすのだ。それが体内に入ると全身が燃えるように熱くなり、耐えられなければ命を落とし、長らえれば炎竜の眷属となって災いを振りまく。どちらに転んでも厄介なものだ。昨日もたかかが鳥一羽に手を焼いていただろう、貴様らは」

「ああ……。あれ」

 だから、羽根の奥であんなに光って……? ベルナデットも思い当たる。


「常に高熱を帯び、穏やかな人格者でも怒りっぽく短慮に代わり、周囲に怒号を浴びせる……、まあ初手はそんなものだが、変化があるようなら危ういな」

 火の属性が体現されるのだよ、と彼はしたり顔で説明する。


「さらに」

「見た目が、様相が変わる……?」

 なんだ、わかってるじゃないか、と狼は欠伸をする。


「外見も異相を呈していくのだというぞ。俺は普段から鼻で嗅ぎ分けているから、そのあたりはよくわからんが」

「……。まさか……?」


(明確に彼女がおかしくなったのはいつだった? 到着時から機嫌は良くなかった。それはわかっていた。いつからおかしくなった?)

 ああ、眠い……、とワイスは大きく伸びをし、敷き藁の上に寝そべった。心底どうでもよさそうだ。


「もしそうなら、早めに別れを済ませておくといいぞ。人間でそれに耐えられた者を俺は知らぬ。みな数日のうちに死んだ」


「ちょっと!」


 他人事だと思って! ベルナデットは柵から身を乗り出してワイスの毛皮を掴んで引っ張った。

「痛いな! 何をする!」


「あの子には神々の守護があるんでしょ? そんな簡単に言わないでよ!」

「余所の神の事情など知らんわ!」

 ワイスは振り解こうとしたが、ベルナデットはしがみついて抵抗する。ぎゅうと力を籠める。


「それに遠い異邦での出来事にまで責任など持てぬだろう! 加護を求めるなら、その神の本拠地に居るべきだろうが!」

(それは、そうだけれど!)

 今指摘されてもどうしようもない。


「冷たい! なんて冷血な! それでも王子の愛犬なの?」

「犬ではないぞ! 小娘が!」

 ワイスが吠える。


「こちらだって小娘じゃないわよ!」

 侮らないで、と彼女は凄んで、さらに毛皮を引っ張る。


「くそっ、痛いぞ! なんて力だ!」

 ワイスは顔を顰めた。見た目はどうあれ、こんな乱暴に扱われたことなどない犬なのだ。


「あら! 私が、もしかしたら主君の奥方になるかもしれない女だってわかってるの! 口に気をつけるべきなのはどちらかしら!」

 むう、とワイスは口を噤んだ。

 女の言う通りだった。自分が気に入らなかったとしても、婚姻の決定権はアデルにあり、決まればそうそう無視もできない。


「ねえ……。どうにかできないの? 助けてくれないの……。貴方、本当は霊獣なんでしょう……?」

「霊獣などと自己紹介した覚えはないぞ」

 だが、ワイスも犬呼ばわりよりは気分は良いようだった。

 ベルナデットはぎゅっと拳を握った。


(私が連れてきてしまったのだわ……。聞いていた話と違うのだから早く戻ろうって、月琳はあんなに言ってたのに。きっと調子がおかしかったからだわ。異変を感じてた。だから、必死になって……)


 いいからまず放せ、と狼は頭をぶるんと振るって彼女を除けると、ああ、本当に人間の娘はうるさいな、と愚痴を吐いた。


「宮殿に向かう途中に神聖な冷泉がある。そこは女神の加護を受け、太古には神事前の禊ぎにも用いられた清浄なる泉だそうだ。炎竜の禍の許でも、その力は失われていない」

 彼女は期待の目で狼を見つめた。


「はずだ」

 今ひとつ当てになるのかならないのか、微妙な話だったが。

 ベルナデットは頷いた。


「わかったわ。教えてもらえれば、そこまで行ってくるわ」

 この馬鹿者が、とワイスは吐き捨てた。


「そんな距離だと思うのか。第一教えておいて、あとは知らぬと無責任なことができるものか。仮にも貴様はアデルの女だろう」

(いや、それは違うけども)

 まだ仮ですらないのだが、そこはひとまずはいい、と彼女も突っ込まなかった。


 ワイスは頭で柵の戸を押し上げ、一歩足を踏み出した。

「そこの水入れを取れ。泉の冷水であれば火の種を滅することができよう。おそらくな」

 彼は頭をぶるんと振るう。

 おそらく。

 確実ではないのだろうか。いや、それを問うている時間はない、とベルナデットは心を決める。


「ああ、面倒だ。面倒で仕方ない。だが連れていってやろう」

 彼は気に入らぬが乗るがいい、と背中を示した。


「え……?」

「恩に着るがいい。馬よりは早いぞ。うまくすればアデルが戻るまでに帰って来れるだろう」

 それから意地悪そうな光を称えて彼女を見やる。


「それとも恐ろしいか、小娘」

「そんなわけないでしょう! わ、わかったわ!」

 ベルナデットは返事もそこそこ、素早く皮の水筒を掴んで大狼の背にしがみついた。馬への騎乗ならできるけれども、大型の狼は初めてだ。鞍もあぶみもない。裸馬よりもっと悪い。


「さあ、しっかり捕まっていろよ! 炎竜の足下に落ちたとて、拾いはせんぞ!」

 どこか楽しげにワイスは吠え、ベルナデットを乗せて高く高く跳躍した。

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