不都合な真実
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4日目 11:30
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20年前 3月2日
馴染みのマスターは、料理を注文した
「彼、去年からここで働いてくれているんだけど、なかなか腕が良くてね。最近ここをやめて自分の店を持ちたいって言い始めて聞かないんだ。
「えぇ。料理人さんもそうですが、旦那様もだいぶご高齢でいらっしゃいますけど。
「おぉ、そりゃありがたい。彼は本当に料理一筋で、腕も確かだ。
「マスター、ありがとうございます。この店が嫌とか、そういうことではないんです。この店は大好きですし、マスターの事も、もちろん尊敬しています。ただ、俺は郷土料理だけではなく、世界の色々な食事を作って食べて頂きたい、そんな風に思っているだけなんです。」
「うちの旦那様はグルメでいらっしゃる。料理人さんもそろそろ跡継ぎが必要なご年齢。きっと
20年前 9月10日
「いやぁ、
「そりゃあ良かった。今でも時々、うちの店に顔出してくれるんだよ。」
「そうか。屋敷の事、なにか話していたかい?」
「えっ、いやぁ、フフフ。
マスターは楽しそうに笑う。
「なるほど、確かに屋敷の中では出会いなんてないですからね。」
「
「……そんなことができたらどんなにいいだろうか。しかし、いくらなんでも都合がよすぎるだろう。自分で捨てておいて、また一緒に暮らしたいだなんて。」
「そうはいったって、
「それは私の自己満足でしかない。
「最近の
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涙を流し続ける
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