第38話 カルキの来る日

 第37話で宝石にこだわったんですが「宝石にこだわった漫画家」と言えば、やっぱり花郁悠紀子先生だと思います。

 個人的に好きなのは、翡翠ひすいをテーマにした中篇『カルキの来た日』ですね。カルキは、ヒンドゥー神話のヴィシュヌ神が地上に送る10の化身の一つ。まだ現れていない、未来に現れる救世主みたいなイメージでしょうか。


 舞台は現代ヨーロッパの金持ち放蕩貴族の城。どっぷりとしたヒンドゥー神話ではなく、西洋人がちょっと歪めて解釈した東洋文化って雰囲気が逆に斬新でした。

 主人公が、ブッタのことを「仏教のじゃないか」って言うのは「西洋人なら、そんな感覚かも」と納得してしまいました。

 この作品の登場人物の名前を憶えると、木星の衛星を憶えられます。(本当は、ギリシア神話でゼウスの愛人の名前ですがw)



 この作品が発表された頃は、少女漫画でBL路線が確立される黎明期だったみたいです。そのせいか、別の単行本で発表された後日談はBLになってました。

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