第19話 亡き母のこと

「お兄ちゃんではなくて、お前が死ねばよかったのに!」


 ちょっと母を思い出しました。



 母が亡くなった時に「自分のことより、他人の面倒見るのに忙しい人だった」と言う話、一方では「気に入らないことがあると皿や茶碗を持ち出して、庭で石に叩き付けてた」と言う話・・・いろいろ聞かされました。

 どの話も「ああ、やりかねない」と思いましたね。毒親ではありませんが、いろいろ面倒くさい人だったのは事実です。



 兄がいましたが、私が幼い頃に亡くなりました。冒頭の台詞・・・子供の頃に母から言われてました。

 父によれば「ショックだったんだよ」と言いつつ「兄がやっと手が掛からない歳に成長したのに、手の掛かる方が残ったから」とも。

 思ったことは直ぐに口に出ちゃう人でしたからね。私もいちいち気にしてられません。


 それで私自身も「お前が死ねば良かったのに!」と言う台詞を、言っちゃいけない言葉とは思ってなかったんですよ。

 小学校高学年になった頃に「そんなことは言っちゃ駄目です」と注意されました・・・に。

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