第7話 キャンディ・キャンディ

 知人に贈ったプレゼントの中で、一番顰蹙ひんしゅくを買ったのは『キャンディ・キャンディ』の全巻セットだと思う。

 この作品は、原作者と漫画家が権利関係で揉めて事実上の絶版、テレビ・アニメも放送できない状態なのは有名な話だと思います。



 古本屋巡りが好きでした。でした・・・と過去形になるのは、古本屋さんがみんな廃業して巡る先が激減したからです。

 古本屋の御主人と顔なじみになって、いろいろと話を聞かせて貰いました。

 業者の古本市が○曜日なので、その次の日に行くと新入荷した本を手に入れやすいとか。



 古本屋巡り好きを知ってる知人から「キャンディ・キャンディが欲しい」と相談されてたので、顔馴染みの古本屋の御主人にお願いしておきました。


「初版にこだわらないなら、揃うと思うよ」


と言われて、1ヶ月くらいで全巻セット揃えて貰いました。私にとってはちょっと高額な金額でしたが、知人の誕生日も近かったので「誕生日プレゼント」として贈りました。全9巻は割とかさばります。

 古本を急いで揃えて貰ったから「本の状態は良い」とは言えません。


「えー、汚いよ」


の一言。いや、キレイな状態の本探したら時間もお金もスゴい事になるんだけど・・・理解して貰えませんでしたね。



 古本屋の御主人から聞いた、嘘みたいなホントにあったクレーム。


「これ、中古本じゃないか!返品する!」

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