第6話学歴コンプレックス(河野場合)

河野は、自身の学歴に尋常な程にコンプレックスを抱いている。

河野は、中学を卒業後。高校には進学はしなかった。

本人曰く「俺は、学校が嫌いだからなぁ」と河野は同級生たちに

そんな事を言っていた。だが、実際は高校には行きたかったみたいで

いつも、家の近くの高校の校門でかつて、勉学に励んでいた。

中学時代の仲間が楽しそうに、出てくるの。彼らに気づかれない

ように。電柱に隠れながら見ていた。河野がなぜ、高校に進学

しなかったのか。その理由は、当の本人をわからないらしい。

本当に学校という場所が嫌いなのかもしれないし。それとも

何か他の理由があるのかもしれない。河野は、勉強はできる方だ。

彼に、その気があれば。有名な進学校に行って。有名大学を出て。

夢のような人生が訪れるかもしれない。だが、彼は高校には

行かなかった。彼は、いつも口癖で「あぁー俺も高校だけは

行けばよかったかなぁ~」と夜中に呟いている。そんな事を

言っている。小池さんが、河野が座っている。席に近づき。

彼のテーブルに料理を置き。「お待たせしました」と笑顔で

河野に言った。河野は(今の俺の呟き。小池さんに聞こえて

いたかな)と心の中で思っていると。小池さんが、河野の

顔に近づき。「私、今日は夕方の4時であがるので。一緒に

返りません?」「えっ⁉」「ごゆっくり」と小池さんは笑顔で

他の席にコーヒーを注ぎに行った。河野は茫然となり。

口を半開きで、先ほど頼んだ。ランチを食べるの忘れっていた。

無理もない。まさか、小池さんの方から。誘ってくるなんてと

河野は思った。河野は、心の中で「低学歴でも春は来る」と

学歴差別だと思われる発言を。心の中で言い。小池さんが淹れて

くれた。コーヒーを飲み「うん。今日もおいしい」と言う。

これが、学歴にコンプレックスを持つ。河野の話である。

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