第3話彼女は知っていた

河野は、家の近くのコンビニで、会社の向かいにある。

カフェで働く。小池さんとバッタリ出会う。河野の

ぎこちない。挨拶でも、小池さんは笑顔で「こんにちは」

と返してくれた。河野は、それがとてもうれしかったみたいだ。

気怠そうな店員の「ありがとしゃしたー」の言葉を聞きながら。

河野は、小池さんがコンビニの外に出てくるのを待っていた。

若干のストーカー行為じゃないかと思う。河野は、自分に

「これは違い。これは違う」と自身に言い聞かせる。

「これは違う。自分は、ただ小池さんに自分の事を覚えているのか

 を聞きたいだけ」河野は、昼食をほぼ毎日。会社の向かいの

 カフェで昼食をとる。だから、常連の客の顔を彼女が覚えているのかを

 確かめたいだけ。河野は、小池さんの記憶力を試しただけなのだ。

 決して、小池さんに声をかけて。「あなたの事が好きなんです」と

 いきなり告白する訳ではない。河野は、そう自分に言い聞かせた。

 そんな自身と葛藤していると、コンビニから。小池さんが出てきた。

 河野は「ふぅーよし」と気合を入れて。小池さんの前に出る。

「あの・・・・・・すみません」「はい?」河野は額から大量の汗が

 零れる。河野は、勇気を振り絞り。小池さんに聞いてみようとした。

「あの、僕の事を知っていますか?」「はい?」小池さんは、小首を傾げ

 この人は何を言っているのだろう?みたいな表情を河野向ける。

 そりゃそうだよと河野小声で呟く。突然、知らない男に

「僕の事を知っていますか?」等と声をかけるなんて。河野の顔が真っ赤に

 染め上がる。河野は、早くこの場から。立ち去りたいと思った。

 「ごめんなさい。人違いでした」そう小池さんに勘違いですと言い。

 その場を後にしようとした。その時だった。「待ってください」

 小池さんが、河野を止める。「はい?・・・・・・」河野は、その場に

 止まる。すると、小池さんが「よく、うちのお店にくる人ですよね?」

 小池さんは、覚えていた。こんな僕をこんな中卒の僕の事を彼女は

 覚えてくれた。そんな感想を心の中で言う。すると、小池さんは

 さらに「河野さんですよね?うちのお店の向かいの会社の」その言葉を

 聞いた瞬間。河野は手に持っていた。ビニール袋を地面に落とした。

「何で?僕の名前をご存じなんですか?」河野が、小池さんに聞くと

 小池さんは人差し指を自分の口元に持っていて。「内緒です♡」と可愛いく

 言う。それを聞いた。河野は「あぁー今期の運勢を全部使いきったなぁー」と

 心の中で幸福に満ちていた。

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