8.オリエンテーション
食事が終わった後、参加者たちは自分の席に残る様に高遠から言われていた。このままここでオリエンテーションをするそうだ。
全員が片付けをして席に着いたのを見て、高遠が挨拶を始める。
「それでは、ダイエット合宿第一期生のオリエンテーションを始めます。まずはトレーナーである私と白石から自己紹介をします。私は
白石がポニーテールにしている美しい黒髪をたなびかせながら口を開く。
「
佐恵子が未来にヒソヒソ話をする。
「モデルですってよ! 通りで美人なわけね。顔採用かしら」
未来は苦笑してやり過ごす。高遠はそんな二人を一瞥すると険しい表情を見せた。
「それでは、次は皆様に自己紹介をして頂きます。年齢が高い順に、男性からお願いします。ちなみに、部屋割りや席順も年齢順に並んでいますので、席の端から自己紹介して頂けば大丈夫です。それでは渡会さんからお願いします」
渡会はさも面倒くさそうに自己紹介を始めた。
「
そこからは、席の順番に自己紹介が続いていく。
「
「
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次は女性陣の自己紹介だ。
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一通り全員の自己紹介が終わると、白石が全員に資料を配布した。それには毎日のスケジュールや炊事当番の表が入っていた。資料を見ながら高遠が説明をする。
「お手元にある資料の通り、朝は六時起床でウォーキングから始めます。八時に食事、九時から十二時まで筋トレ。そこから一時間昼食休憩で、十三時から十六時まで有酸素運動を含む各種トレーニングをします。エアロビクスやボクササイズをします。機械を使う有酸素運動もしますのでね。十六時から十八時まで自由時間で、その間に炊事当番の方には夕飯を作って頂きます。この時に翌日の朝食と昼食の仕込みもしてしまいますので。朝食と昼食の炊事当番に関してもそちらに表があります。こちらの炊事時間は、各食事の三十分前から行いますので、よろしくお願いします。十八時から夕食で、二十一時には消灯です。お風呂は各自の部屋にシャワールームがありますから、お好きなタイミングでどうぞ。以上ですが、何か質問はありますか?」
参加者たちは一様に下を向いて黙っている。その沈黙を、白石が破る。
「皆さん、皆さんにはもっと積極的になっていただかないと困ります。ダイエットは自分との戦いです。何もしなければあなたたちは一生肥満体のままです。己から行動する事で、未来も変わります」
高遠がひとりで拍手を送る。
「そうです。皆さん、もっと真剣にダイエットに向き合って下さい。必ず皆さん痩せて帰るように。これから館内の案内をします。皆さんは私と白石に付いて来て下さい」
そして、次は館内を見学する事になった。
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