第15話 【アニメ】ワールドトリガー シーズン1
制作:東映アニメーション
配信:Netflix
話数:74話×30分(37時間……!)
・記
芦原大輔先生のマンガ「ワールドトリガー」を原作にしたアニメである。
リアルタイムで放送されていたころ、僕はアニメを視聴する習慣がなく(地方に住んでいたのでそもそも放送されてなかったのかも。ただそんなに興味もなかったので放送されていても見なかったと思う)、ネット配信のおかげで今回視聴に至った。インターネット様様である。
シーズン2、シーズン3 はすでに視聴済み。シーズン1終了後から長い年月を経て再アニメ化されたものだが、クオリティが非常に高く、原作ファンの僕は「ワートリのアニメってすげえ! すげえ!」と大興奮したものだった。
で、今回はシーズン1を見てみたのであった。シーズン2からみたことに罪悪感があった。僕はコレクションすると決めたら全巻揃えるし見ると決めたら全話視聴すうるタイプのオタクなのだ。
シーズン2があれだけ面白かったのだからシーズン1も面白いだろうという楽天的な想いと、まあ面白くなかったとしてもそれはそれで何がダメなのかを分析できるだろうという悲観的な想いを混在させながら、とりあえず74話全部を見てみた。
視聴態度は、小説を執筆しながらである。なので流し見に近い……(申し訳ない)。小説を執筆しているときに見るのはどうしても流し見になるので、原作を知っているアニメか、昔見たことがあるアニメを視聴することにしている。原作を読んでいるので、流し見してもストーリーがわからなくなることがないからだ。
ワールドトリガーと言う漫画は登場人物が滅茶苦茶多いマンガなので、繰り返し視聴することで多大な情報の整理ができることもポイントだった。マジで登場人物が多いのである。登場人物が多すぎて顔と名前が一致するまで時間がかかるのだ。何度も原作を読んで、とりあえず戦闘員は全員顔と名前と所属チームが一致するようになったが、オペレーターさんはいまだに顔と名前と所属チームが一致していない。ワールドトリガーは読めば読むほど作品の理解度が上がる作品、そして読むほどに面白さが増す作品である。まじで何回でも読めるのである。CDに聞けば聞くほど味が出るスルメアルバムというのがあるけど、そんな感じのスルメマンガです。コスパでいったら最強のマンガではないだろうか。
作品の理解をさらに深めることも、今回の視聴の目的であった。
・感想
・作画がよくない時がある(いい時もある)
シーズン2以降にくらべて作画がよくない。放送されていた時期や予算の問題もあったのだろうと思う。作画崩壊みたいな絵がしょっちゅうある。絵だけでいったら原作に負けている。そこを補っているのが、色と音、そして声だった。特に声優さんの演技力は作画の劣化を補って余りあり、まじで声優さんてすごいなと思った。大人しい千佳というキャラクターがいるのだが、この子は声がついたことで魅力を引き出されたなあと感じた。あとかわいい先輩の小南というキャラクターがいるのだがこの子はアニメで声がつくともっとかわいい先輩になっていた。
・ギャグパターンの使いまわし
ワールドトリガーの原作にあったギャグをこれでもかと使いまわしてくる。小南先輩はうそをすぐに信じてしまう先輩なので、嘘つきな後輩によくだまされるのだが、アニメでは小南先輩いじりというギャグをこれでもかこれでもかとしつこいくらい頻発した。僕は小南先輩のキャラが好きなので、もっとやって欲しいと思った。
・アニメオリジナル展開
後半になってくると原作に追いついてきたこともあり(芦原先生が体調不良で休載がちになったことも要因だろう)、アニメオリジナルの展開で12話くらいを持たせていた。つまらなくはないのだが、別に要らんかなあという印象。個人的な恨み言を言わせてもらえば、クールを持たせる必要があったとはいえ東映アニメーションが「ワールドトリガー」という作品で二次創作を作ったことに、すこし怒りを感じた。三雲君(才能に恵まれない主人公)がスパイダー戦法を編み出す前で弱いので敵につかまったりしてヒロインみたいな扱いになってるじゃないか!!
・キャラビジネスを成立するためのアニメ
原作が面白いのでアニメの面白さもある程度保障されているのだが、人気キャラクターの登場頻度があからさまに高かったり(小南や烏丸、木虎、嵐山あたり)、あとこいつらなんでこんなに登場すんの!? と思うようなことがあった(小寺、三輪隊の槍の人、出水、荒船あたり)。僕が認識してないだけで人気あったんでしょうね。ファンサービスと言うかなんというか。2000年以降、『オタク』という影の趣味が一気に市民権を獲得し、アニメ見てますといっても白い目で見られなくなってきた時代。キャラソングとかアクリルプレートとかフィギュアをビジネスとして成り立たせて儲けようという大人の思惑を感じました。
・おわりに
シーズン2、シーズン3にももちろんそういったキャラクタービジネスの側面もあるんでしょうけど、それよりもむしろ『原作へのリスペクト』を感じていた。シーズン1にももちろんリスペクトはあるのだが、同時に『キャラクタービジネスを存続させるための広告塔』という”大人の事情”も感じてしまった。
近年の漫画原作アニメでは、作画にコストをかけアニメとしてのクオリティを高める傾向があると思う。見る側としても展開が遅く質が低い時がある全74話をダラダラみるよりは、展開が早く質の高い全12話、全14話を見たい。このような時代の要求もあったのではないだろうか。タイパがいいから。
アニメのワールドトリガーはシーズン1とシーズン2以降で、アニメ制作スタイルががらっと変わっており、同じ作品でありながら時代の移り変わりを感じるのである。
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