第2話:エッチさせてあげないよ。

父ちゃん、母ちゃん・・・おはよう。

朝からなんだけど、先に言っとくぞ〜、驚くなよ〜。


「スキャリーおいで、こっち」


「あのさ、紹介しとくわ・・・この子スキャリー」


とうぜん父ちゃんと母ちゃんはスキャリーを見て、手が止まってしまう訳で。

父ちゃんはクチにトーストを持って行こうとしたまま・・・母ちゃんは手に

包丁持ったまま・・・。


「その子誰だ?」


父ちゃんの疑問符。


「あんた・・・その子、どこでいつ連れ込んだのよ?」


母ちゃんの疑問符


「だよな・・・普通そう思うよな・・・だけどな、違うんだな」

「俺はおネちゃんをナンパして家に連れ込んだりしないよ」


「ふたりともよく聞けよ」


で、俺は昨日、映画を観に行ってガチャの店に入って・・・どうしたこうした。

って話と朝起きたら、こんなことになってて隣の美希の件もふたりの話した。


「そんな、アホな話を俺らに信じろって?」


って父ちゃんの第二の疑問符。


「あんた、その子と同じベッドで寝たの?」

「その子に淫らな行為したんじゃないでしょうね・・・よその子に・・・」


って母ちゃんの叱咤しった


むむむ・・・人を説得するのは難しい。

それこそ、父ちゃんが言ったように、こんなアホな話誰が信じるってんだよ。


「まあ、とにかくスキャリーを紹介したし、ことの詳細は話したからな」

「今日からこの子、俺が全面的に面倒見るから」

「文句いうなよ・・・言っても無駄だからな、撤回しないからな」


父ちゃんと母ちゃんの、納得できないわって顔を無視して俺は俺の横に

スキャリーを座らせて朝飯を食うことにした。


「母ちゃん、飯・・・この子、腹減ってるってよ」


「しょうがないわね・・・」

「あんたスキャリーちゃんって言うの?・・・ちょっと待てってね」

「今、朝食出してあげるからね」


「お姉さんありがとう」


「お、お姉さんだって・・・まあ、いい子ね〜」


「ガチャのくせに生きる術を知ってるな・・・おまえあなどれんな」


「私、中身は美希みきだから・・・」


「あ、そうか・・・忘れてたわ」


「また今夜から一緒に寝られるね」

「そうか・・俺の横で寝てるスキャリーが美希だと思ったら奇妙な気分だよな」


「それ、どう言う意味?」

「私だと不満なの?」


「いや〜おまえとはさ、幼馴染みたいなもんだからさ・・・エロい気分にも

ならないなと思って・・・」


「それって、女に向かって失礼なんじゃない?」

「私に魅力感じてないってことでしょ?」


「外っ面はガチャで、中身は隣の女だろ?・・・エロくなる余地ないだろ?」


「あんたら、無駄話してないで、さっさと食べなさいよ」

「私はパートに出かけるから・・・あと留守番頼むわよ」


「じゃ〜俺も仕事に行くか」


父ちゃんと母ちゃんは自分のノルマをこなすため与えられた仕事に出かけて行った。


「俺も学校があるんだよ・・・母ちゃんは俺のことは考えてないんだな」

「息子の扱いなんてそんなもんか・・・」


「文句言わないで私とお留守番しよ?、ね」


「おまえも分かってない・・・俺に学校休めって言うのか?」

「学校へ行ったって、友達と馬鹿話してるだけじゃない」

「勉強しに行ってるわけじないんだから、いいんじゃない?学校なんか休んでも」


「たしかにな・・・言えてるな」

「じゃ〜とりあえず、おまえのために学校休むか?」


「うん、お休みしてふたりしてラブラブしようよ」


「ガチャとか?」


「中身は美希だって言ったでしょ・・・クチが酸っぱくなるくらい」


「悪い、すぐ忘れるんだ」


「エッチさせてあげないよ」


「・・・・・ん〜冗談とはいえ聞き捨てならないセリフ」


「冗談だと思ってる・・・私本気だからね、生きてた時から・・」


「本気なら余計期待しちゃうだろ?」

「それにガチャとエッチか?」


「美希だよ」


「おう、そうだった・・・ガチャじゃなくて幽霊とエッチか?」


「幽霊じゃなくて、スキャリーだよ」


「ややこしいな・・・中身は美希でも見た目はスキャリーだし・・・

やっぱりここは見た目重視だろ?・・・だったらガチャじゃないかよ」

「どっちにしても軽くエッチって言ってくれるけど、それは俺とおまえに

とっちゃかなり重い言葉だぞ・・・重いぞ〜。


「そんな大袈裟な・・・みこすり半って言うじゃん・・・どうぜ富太10秒も

モタないよ・・・」


「お〜、みこすり半って、なに言ってんだよ・・・それは絶倫男に対して

失礼だろ?」

「まあ、エッチしたことないけどたぶ20秒くらいはもつと思うけどな・・・」


「そんなんじゃ話にならない」

「彼女ひとり満足させられないようじゃ彼氏失格!!」


「これからずっと一緒に暮らすんだから、私とのエッチの時までにしっかり

下半身鍛えておいてね」


おしまい。



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100円ガチャのスキャリー。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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