第29話 ルミナリス2
アルケミスの指導の下、ルナは「万物の声を聞く者」としての自らの能力を探求し始めた。
彼は彼女に、自然の精霊とどのように交流し、その力を借りるかを教えた。
ルナは精霊の言葉を深く解読する術を少しずつ学び
彼らから受け取る情報を使って戦場での自身の動きを調整する方法を習得した。
日々の訓練を重ねる中で、ルナは戦場で精霊たちと心を通わせ、
敵の攻撃を見事にかわす技術を完璧にマスターし始めた。
「みんなが教えてくれるところに攻撃がくる!?」
精霊は動作の前の微細な魔力の動きを察知して
どこに攻撃がくるか事前に予知できるようだ。
「ルナ、あそこを狙って!」
「えっ…やってみる!」
精霊たちの言うとおりにやを放つと必ず相手に命中した。
彼女の能力は、彼女自身の運命だけでなく、戦争の行方にも影響を及ぼす力となっていった。
「戦争が終わらせる事ができるかもしれない」
ついに訪れた戦いの日、ルナはドラゴニアの軍と対峙した。
彼女は戦場を駆け巡りながら、精霊からの助言に耳を傾け、ドラゴニアの将軍たちの戦略を一つずつ無効化していった。
その中で、彼女はドラゴニア国王自身に一撃を加え、重傷を負わせることに成功した。
この出来事は戦争の潮流を変えるものとなり
ルナは勝利の喜びとともに、長引く戦いがようやく終結すると信じた。
故郷に帰還したルナは、家族の元に平和の報せを届け、彼女たちとの再会を心から喜んだ。
家族は彼女の勇敢な行動を讃え、久しぶりに家庭に笑顔が戻った。
しかし、その平和は長くは続かなかった。
驚くべき速さでドラゴニアの戦力が回復し始めるという報告が届き、ルナの心に再び重い影が落ちた。
平和が再び脅かされる現実に直面し、彼女は何をすべきか、深く思い悩んだ。
この時、アルケミスが再び現れ
「ドラゴニアは秘密裏に再生魔法を保持している。それが彼らの回復の鍵だ」と告げた。
「再生魔法なんて…」
存在を疑ったが
再生魔法があるとすれば
ドラゴニアの急激な戦力の回復も説明がつく。
再生魔法を使えば多くの傷ついたルミナリスの人々を救えるかもしれない。
彼女は戦争で苦しむ自国の人々、特に介護が必要な家族のために
この強力な魔法をどうにか手に入れる必要があると感じた。
アルケミスの勧めで、ルナはドラゴニアに和平交渉を申し入れることを決意し、その準備を始めた。
和平交渉の申し入れは、ルナにとって新たな挑戦であった。
彼女はドラゴニアへの使節として、困難な道のりを進む覚悟を決めた。
和平を望む彼女の心は、戦争の終結だけでなく
再生魔法を通じて得られる新たな希望にも照らされていた。
その一歩が、長い戦争に終止符を打ち、多くの命が救われることを願いながら
ルナは和平の道を歩み始めたのであった。
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