第27話 決闘開始
ニュートラリアの大聖堂の外庭は、朝の霧に包まれた静かな舞台となっていた。
観衆が息をのむ中、戦闘の準備が整い、アリーシャとルナが対峙した。
空気は緊張で張り詰め、観客席のざわめきも次第に静まり返り
全員がこの一瞬を見逃さないように目を凝らしていた。
アリーシャの後方で見守っている僕の緊張感も最大になっている。
「これより、和平交渉にのっとり決闘を始める」
オーフェンが告げると
鐘の音が高らかに鳴り響き、戦いの開始を告げた。
アリーシャは深呼吸を一つして、全身に魔力を満たし、集中の極みに達した。
「行きます!」
その瞬間、彼女は閃光のように動き出し、圧倒的な速度と力でルナに向かって進み出た。
アリーシャの手からは青白い光の球が放たれ、空気を裂きながらルナに向かって飛んでいった。
「……ありがとう」
ルナは予期していたかのように軽やかにその魔法の一撃を回避した。
彼女の動きは異常なほどの敏捷性を持ち、まるで舞う蝶のように攻撃を避け続けた。
「やはり…それなら!」
アリーシャは動じることなく、連続して強力な魔法と迅速な物理攻撃を繰り出す。
攻撃の嵐でルナを圧倒しようと試みている。
彼女の魔法は火と氷を交えた猛攻で、観衆を驚かせたが、ルナはこれらすべてを避け続けた。
「何かがおかしい」
アリーシャの攻撃速度はこの世界では最高クラスだ。
ステータスを再確認しても異常はない。
アリーシャの攻撃が当たらない理由はルナのスキルにあることは明確だった。
「…ありがとう」
アリーシャの攻撃は決闘開始から一度も当たっていない。
ルナは攻撃が彼女に届く前に適切な位置に移動していた。
次第に、戦闘はルナが反撃を開始する段階に移る。
「ありがとう」
一言言うと、ルナは大きな弓を使いアリーシャ向けて矢を放った。
「そんな矢が当たるとでも?」
アリーシャがやを交わそうとすると
動きを予測しているかの如く矢がアリーシャに命中した。
「!?」
「アリーシャ大丈夫か?」
「平気!一撃の重さは大したことないから!」
しかし、ルナの放った矢は
それぞれがアリーシャに確実に命中し、連続攻撃は徐々に彼女を疲労させた。
「アリーシャの攻撃は全て当たらず、ルナの攻撃は全て当たる?」
僕とアリーシャは戦術を見直す必要に迫られていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます