第14話 チートキャラ

あれから1ヶ月、俺とアリーシャのリハビリは順調だった。


ただ一つのことを除いては




「こんなに強くなれるなんて…リハビリ最高です!」




アリーシャは目を輝かせながら


俺に話しかけてくる




「確かに…こんなに強くなるとは…」




普通、人間が筋力強化の効果が出てくるのは


大体2ヶ月くらいかかる。


筋トレにより筋繊維が破壊されて、再び回復するまでに期間がかかるからだ。




でも、アリーシャは違う


筋トレすると3日くらいで筋力強化が完成してしまうのだ。




その結果、1ヶ月の間で


パンチ、キックの威力強化、移動速度、飛行速度など


全体的な強化が完了してしまったのだ。




【改善する眼】魔力は10000overになっている


ドラゴンのポテンシャルやばすぎだろ!


まさにチート的存在だ。




俺はようやく【改善する者】の持続時間を30分から1時間に伸ばせたくらいなのに








「人間の姿のアリーシャの筋力がこれだけ強化されているなら、ドラゴンの姿ではもっと強いかもしれないな」


「まあ、実際に戦ってみないと分からないけど……」


俺は【改善する者】でドラゴン姿の魔力を評価した。


(魔力20000overに増加)


(パンチ力20000overに増加)


(キック力20000overに増加)


(飛行速度20000overに増加)


(スピード20000overに増加)


「す……すごいです!」






アリーシャは驚きながら俺に話しかけてきた。


「あの、もしよろしければ試したいことがあるのですが……」


アリーシャが突然変なことを言い出した。


「なんだ?」


「私のブレスの威力を試していいですか?」


(え?)


(やばい!)


(デイサービスセンター全壊コースだ!)


俺はとっさに【改善する者】で魔力の盾を創造し、デイサービスを守る。




「ドラゴンブレス!!」


次の瞬間、俺の視界は真っ白に包まれた。


(……あれ?痛くないぞ?)


「大丈夫ですか!?」


アリーシャは心配そうに話しかけてきた。


「え?」


俺が周りを見渡すとさっきまで見ていた景色とは違い、そこにはデイサービス以外に何もなかった……いや違う!クレーターのようなものができていた。


(この威力だと施設どころかこの区域まで消滅するんじゃないか!?)


そんなことを考えていたら【改善する者】のスキルが解除されたみたいだ。




「ナオルさん!大丈夫ですか!?」


アリーシャが心配そうに俺に声をかけてきた。




「これからは街の中でブレス禁止な」




「え?なんでですか?」




「街が無くなってる……」




俺は目の前に広がるクレーターを指差しながら伝えた。




「え?あっ……ごめんなさい」


(可愛いから許す!)




アリーシャはテヘペロをしていた。


やっぱり、可愛いな〜




「まあ、これでリハビリは完成だな」


「あとは定期的にデイサービスに通うことで筋力の維持をすればいいだろう」




俺はアリーシャにリハビリ終了を伝えることにした。

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