第12話 リハビリで強くなれる?

俺は【改善する者】の説明をアリーシャにした。


機能回復は一時的であること


回復している間に栄養補給しないと再び魔力が枯渇した状態に戻ってしまうこと。




「ナオル様のスキルは万能ではないってことですね」




「そう、だからリハビリして根本的に改善する必要があるんだ」




俺は転生前のことを思い出していた。




「佐藤さん、膝の痛みを治すには筋力をつけないと!」




「大丈夫だよ、この湿布とグルコサミンを飲めば治るんだから」




日本で理学療法士をしている頃


膝が痛いおばあちゃんに湿布を貼れば大丈夫!


みたいにその場しのぎの処置が多かったからな…




薬は根本的な解決にはつながらない


だから、リハビリが大切なんだ。






そして、俺はアリーシャに言った。


「アリーシャも俺のリハビリを受けてみませんか?」


「私も?」




「リハビリはには機能回復だけじゃなく。機能を強化する役割もあるんだよ」




「例えばスポーツ選手、適切に筋力を鍛えることでパフォーマンスを高めることができる。」




メジャーリーグで二刀流を成功させるのが良い例だ。




「すぽーつせんしゅ…はよく分かりませんが」




「まぁ、とにかく一緒にリハビリ頑張りましょう!」




俺がそう言うとアリーシャは嬉しそうに言った。


「はい!私もナオルさんと一緒にリハビリがしたいです!!」


こうして、俺は機能改善のリハビリをすることにした。




アリーシャの魔力が回復してから


俺たちは機能改善のリハビリを始めることにした。




「アリーシャたちは戦うための訓練ってやったことある?」




「訓練?ありませんよ?」


「ドラゴンは生まれ持った強大な魔力があるので大抵の敵には負けませんし」




どうやら圧倒的な強さがあるから


戦闘はセンスに任せているようだ。


なら、疑問が生まれる。


俺が国王と出会った時、明らかに戦闘で負けていた。




「なんで、国王は戦闘でエルフに負けたんだ?」




「なぜか、エルフの英雄だけはドラゴンの戦いが通じないのです」




「通じないってどういうこと?」




圧倒的な魔力があるのに勝てない…


相手はなんらかの作戦などを立てているってことかな?




「私たちの攻撃が読まれているような…」


「私たちの攻撃は必ず攻撃を交わされ、相手の攻撃を交わすことは不可能なんです」




「そして、突然目の前が真っ暗になって……」


アリーシャの話を聞いて俺は考えた。




(もしかして……)


俺はある結論に至った。


(これってまさか……)




「どうしたのですか?」


アリーシャに尋ねられたので、俺の考えを話した。




「相手がなんらかのスキルを使っている可能性がある」




「スキル!?」




「異世界の人々は魔力を体に循環させて魔法を発動しますよね?」




「ドラゴンもそうですよね?」




「はい!」




「その魔力の流れに異常が起きているんだと思います」




「スキルを使って魔力の流れを狂わせて、攻撃を読み取り回避しているのではないかと……」




「そんなことが……」




「とにかく、実際に試してみるしかないですね!」




アリーシャはそう言うとドラゴンの姿に戻った。


(デカイ……)


アリーシャの身体は全長20メートル以上あった。




アリーシャは俺を抱えて飛んだ。


(速い!)


アリーシャはすごい速さで空を飛んだ!




(ジェットコースターより全然はやい!!)




もう時速600キロくらい出ているのではないだろうか? あっという間にデイサービスセンターへ到着した。


5分もかからずについたので、かなり速いことが分かる。




まるで飛行機だ……。




アリーシャは俺を下ろすとドラゴンの姿に戻った。


(やっぱドラゴンかっこいいな〜)




俺が見とれているとアリーシャが話しかけてきた。


「この姿だと怖がる方もいますので……」




そう言って、人間の姿に変身した。




見た目は18歳くらいで身長は155cmくらい。桃色ロングのポニーテールで瞳も黒い。スタイル抜群で胸は大きい!身長は低いが、そこがまた可愛いのだ。








「魔力で新しい服を作ったのですが?似合いますか?」


アリーシャは恥ずかしそうに尋ねてきた。




魔力って服まで作れるのか…


なんでもありじゃん!




アリーシャは、身体にぴったりフィットする鮮やかな青のトップスと、動きやすさを重視したブラックとホワイトのショートパンツを着ている。


軽快なスポーツシューズで足元は完璧。


髪はヘアバンドで爽やかにまとめられており、彼女の活動的な魅力を際立たせている。








「すごく似合ってますよ!」




俺は素直に感想を口にした。


すると、アリーシャは嬉しそうに微笑んだ。


しばらく歩くとデイサービスセンターに到着した。

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