第5話

 お元気ですか? 前回、(多分)初めて異世界で縄跳びをすることにした私です。あの後どうなったかって? 

 

 大惨事です。なぜかって? それは私が聞きたいなぁ〜!

私はただただ、せまりくる野菜(仮)に向かって、まずは前飛びをしてみただけでした。


 その結果……。とても酷いことになりました。縄跳びをしただけで。私、みなさんに聞きたいことがあります。

 

 縄跳びって、いつから凶器になりましたか? 切れ味が抜群すぎて、まわりが……。


 べちゃべちゃのぐっちゃぐちゃ〜! あ、でも。さすが異世界というべきか、少し時間が経った後、残骸? がアニメで見たような感じで消えました。良かった、良かった!


 殺人……いや、相手は野菜だ。証拠隠滅ができていいですね!

面倒くさいので、これからは野菜で。

 その前に、私はただ前飛び(たまに二重飛び)をしていただけなんです。本当なんです!


 異世界に来て、ただの縄跳び(新品)に殺傷能力が宿るなんて……。

サバイバル、頑張れってこと? 頑張って生き残れって? 実は殺伐とした異世界だったのここ? 初めて来た時の平和な感じはどこへいったの?

 それと、ちょっと今言うべきか悩みましたが……。


 ……疲れました。実はまだ飛んでいました。流石に縄跳びのプロと呼ばれていた私も、跳び続けていたらそりゃ疲れますよ。あっ、ヤバ!


 「うまっ! じゃないっ。口に入った! でも、美味しすぎない? え、現実世界で普段食べている物より美味しいかも……え?」


 トマトの破片が口に入った。破片でも分かる、甘さの中にあるほどよい酸味。つまり、とても美味しい。あ、きゅうりはとてもみずみずしくてパリッとした感じで、破片でもこちらも美味しいです。……いまさらだけれど、食べて平気かな? とっても美味しいんだけれどさ。


   ――しばらく後――


 跳び続けて、せまり来る野菜を殲滅しました。まわりが真っ赤に染まって、赤く滴るムチ(縄跳び)を持ち、中心らしき場所にいる私。はたから見れば、ヤバいやつだと思われそうだ。

 

 そうそう、ちゃんときゅうりの破片もありますよ。トマトより目立たないだけで。早くあの、アニメみたいに消えてほしい。誰かに見られる前に!

とりあえず、やばそうな縄跳びを綺麗にしとこう。


 私の異世界の相棒は君に決定だ!

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