第17話TSっ娘とデート

「城崎遅いな...」

俺は昨日貰った「果たし状」なるものに従い、今駅前の公園にいる。昨日の果たし状は一体なんだったんだろうか。自分の罪を考えていると、

「ごっ...ごめん、遅くなった」

そこに居たのは、フリフリした感じの服ではなく、制服風コーデに身を包んだ城崎がいた。

「きょ...今日は1人で全部やったんだな」

「うん、今日は自分でやんないと意味が無いから」

俺はその言葉の意味を理解できず、城崎に聞こうとするとそれより先に、

「行こっ!御陵!」

今日は本当に遊びに行くだけ...?どういう事だ?何なんだこれ...!


「今日は御陵の好きな服見よーよ」

「いや、いいよ、だって城崎に似合う服選びたいし」

だってお前の服選ぶっていう口実がなかったらただのデートじゃん...

「この服いいかも!着ーちゃお」

そうして城崎が来たのはオーバーサイズのカーキのジャンバーだった。サイズがでかい服をサイズの小さい城崎が着たから、だいぶぶっかぶかだ。なので俺は同じもののサイズの少し小さいものを城崎に着せた。

「ほら、これで無骨な感じもなくなったろ」

「ありがと!」

そういって最高級の笑顔を俺に向けた。不意打ちは何かクるものがある...そしてそんな可愛すぎる服じゃないのにこれも中々いい...まだ分からんな...かわいいとは...

「御陵はこれ結構似合うんじゃない?」

そういって俺に渡してきたのは薄い黄緑のTシャツ。確かに中々良い。

「うん!やっぱ似合うね」

俺にその服をかざしながら笑った。その後も城崎とパフェを食べたりコスメを見たりまた服を見たりとモールを見て回った。

(本当に今日は遊びに来ただけなのか...?)


一通り行きたいところも行き、そろそろ夕暮れ時となるとき、城崎にちょっと帰る前にちょっと寄ってこ、と言われた。

「前もこうやって二人で買い物に行ったことあったよね」

ああ、そういえば前もここで...

「僕、あの時よりも女の子らしくなれたかな」

風が優しく吹く。木の葉が舞う。今、俺たちの周りには誰も居ない。

「今日は、御陵に大切なことを伝えに来ました」

「もしかしたら御陵のこと困らせるかもだけど...もし無理だったらこれっきりにするから。最後まで、聞いて」

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