第16話TSっ娘と相談

「で?話したいことって何?」

「僕...なんだか少し勘違いしてたみたいで...御陵が僕と沢山話してくれるのは御陵の趣味に付き合ってるからであって...勝手に...自分は特別だと思ってて...」

僕は早瀬さんに自分の想いを伝えた。

「...ちょっと前から察してたんだけど...やっぱ城崎ちゃん御陵のこと好きだよね?」

「ふぇっ!...まあそうですけど...」

「やっぱし!」

何となく分かってたんだよね〜、と早瀬さんはニヤニヤする。

「まあ、人の恋愛事情にとやかくは言わないからさ、安心して言ってみなよ、御陵に」

「...まだ少し...勇気が出なくて...だって、最近小鳥遊さんと一緒に話してることが多いし...」

「そんな弱音でいいの?そんなこと言ってたら、小鳥遊さんに御陵とられるよ?」

「っ、それは...」

「城崎ちゃんはさ、もっと自信持ちなよ。御陵は、ただ小鳥遊さんと話が合うから話してるだけだと思うよ、御陵はさ、あんな風に色んな女子と話してるけど、城崎ちゃんのこと一番に考えてるよ。」

「で...でも...御陵僕と話してる時よりも楽しそうで...」

「顔上げて!城崎ちゃん!」

突然早瀬さんが僕の肩を掴んで叫ぶ。

「城崎ちゃんは御陵くんに好きになってもらうためにメイクしたり可愛い服着たりしてるんじゃないの?それを1人別の人が来ただけで諦めるの?城崎ちゃんはそんな諦めよくないでしょ!」

「私は...そんな御陵くんに一所懸命になってる城崎ちゃんがすごいと思ったんだよ」

早瀬さんも僕と同じように僕に対する思いを吐露した。

「そう...そうだよね、僕、毎日が楽しくて忘れてたけど、急に女の子になっちゃってメイクとか可愛い服着てるのは、全部御陵の為だったんだもん...こ...こわいけど...」

「こんなとこで負けてたまるか...!」

そうして、僕は改めて御陵に告白することにした。

「今度は絶対にビビらない...もう最悪盛大に自爆してもいい...絶対に言うんだ...御陵に!」


次の日

「ふぁぁぁ...眠い...」

俺はいつも通り朝刊を取りにポストまで向かった。すると、明らかに新聞では無いものが入っているのが分かった。気になって見てみると、

{明日10時駅前公園前にて待つ}

という表紙に「果たし状」と書かれた手紙があった。

「果たし状って確かいざ尋常に勝負、とかの決闘っぽいやつだよな...」

「...え?俺なんかやらかした?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る