第9話TSっ娘とお家
「御陵〜このコスメ良くない?」
「んーお前だったらこっちの方が似合うんじゃね?」
「確かにそうかも」
「御陵もコスメのことちょっと詳しくなったかもね」
俺はたしかに少しは詳しくなったかも知れない。城崎が女の子になってからというもの、城崎のこやコスメ事情に付き合わされることが多いと思っている。大変じゃないけど、その分自分はいつ使うのかも分からない知識を身につけている。
「ってか何で俺の家に居るんだ」
「別に良くない?男同士なんだし」
「お前は今は女だろ」
「心は男じゃん」
「そうだけども」
こいつは現状を分かっているのか?幼馴染というのが分かっていたら特に異変は感じられないと思うが、それが無かったらもう...か...彼女...みたいに見えるだろ...
「何〜?どっか変なとこでもある?」
城崎がニヤニヤしながら俺の組んだ足に乗ってくる。こ...こいつ...。
「御陵も緊張しちゃうの〜?こういうの?」
こいつ...上機嫌でからかってきやがって...。ん?
こいつ今「も」って言った?こいつも...まさか...
「もってことはお前もこういうの緊張すんの?」
「ふぇっ?いやいやいや!僕はこういうの全然緊張しないし?御陵にこんな事だって出来るんだから!!」
そう言って城崎が俺に抱きついてきた。
「ばっ...お前!何してんだ?!」
「ふぁっ...いやっ、これはっ、違くてっ!」
「そうそうっ!ハグは健康にいいらしいッ、良いらしいから!じゃあ自分そろそろ帰る!」
「お...おう、じゃあな」
きゅ...急すぎた。まさか城崎がこんなノリで、みたいな感じでやってくるとは思わなかった。でも、少し嬉しいと思ってしまったのは何故だ?さっきも言ったが城崎は男だぞ?いや確かに見た目は女だけど...こ...こんなドキドキしたことなんて今までないから...
「くっそ...何だこの気持ち...モヤモヤする...」
城崎宅にて
「あーすきすきすきすきすきすきすき」
僕はさっき御陵に抱きついてしまった。若気の至り...では無いと思うけど...その時もノリでパッてやっただけだから今になってすごい恥ずかしい...
「御陵は僕のことどう思ってるんだろ...これ以上好きっていう気持ちを1人で抱えてるのは...苦しいよ...」
僕は抱えきれないほどの御陵への気持ちを心の中にしまいながら、眠りに落ちた。
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