第8話TSっ娘と謎の勧誘

俺らは今謎の部活の部室にいる。この学校にはこんな教室があったのか?いつもは結構冷静な俺と城崎でさえ動揺している。まるで取り調べのような状況になりつつも、城崎を誘った謎の少女は口を開く。

「ねえねえ城崎ちゃん、私たちの部活に入らない?」

「「え?!?!」」

今こいつなんて言った?急にTSった陰キャを部活に入れる?意味がわからない。やはり頭がおかしかった。

「えー...そもそもなんの部活なの?」

早瀬が途端にキラキラした顔になり、俺と城崎に顔を近づける。

「よくぞ聞いてくれた!自分の部活名は...」

「勧誘部!」

は?勧誘部?待て待て待て。こいつ今勧誘部って言ったか?その部活は活動する意味はあるのか?

「おい早瀬、その部活どういうことしてんだ?」

俺は当然の質問を投げかける。そうすると、早瀬は

ふっふっふっーと鼻を鳴らしながら答える。

「特に何もしてない!この部活に人を取り込む活動をしてる!部員はひとり!」

「ええ...なんで活動できてんだよ...」

「まあ...先生の雑務とかを受ける代わりに...ね?」

早瀬が囁くように意味深な顔をして言う。強かだな、この女。

「ということで、どうかな!城崎ちゃん!」

(どうしよ〜!部活?そりゃ僕陰キャだったし?今まで部活とかで行事とかしたこと無かったから少しやってみたいって気持ちはあるけど...でも...良いのかな...)

「分かった」

俺は立ち上がってそんなことを言ってた。

「え?いいの?!」

「じゃあこれから宜しくね!城崎ちゃん!」

早瀬が城崎と握手をし、上下に振る。腕折れるぞ。まあ、1人で部活をしてるってのもなんだかんだ寂しいのかもな。

「御陵〜!なんで勝手に許可したの!」

「いや、お前やりたそうな顔してたから」

「いやっ、それにしても心の準備とかがさ!」

言い合いをしていると、早瀬が驚くような提案をしてくる。

「だったらさー、御陵も一緒にやらない?」

え?嘘だろ。こいつ何人勧誘するんだ。そうだった。こいつは勧誘部所属だ。

「えー?まあやれんことはないけど...一応自分軽音部だし...」

「え?御陵部活入ってたんだー!」

お前は俺をなんだと思ってたんだ。勝手に部活に入れない陰キャ組に入れるな。

「まあ...兼部は出来なくもないし...」

「ふぇ...?」

城崎が気の抜けた声を出す。

(御...御陵と同じ部活?!同じ部活だったらなんか色々出来るかもしれないけど...)

「城崎!」

俺は城崎の肩を掴んで言った。

「俺たちあんま同じ部活とかで行事とかしたこと無かったじゃん?だからいい機会じゃない?」

城崎は少々考えた後、

「しょ...しょうがないなぁ〜...(恥)」

ということで、俺たちは同じ部活で青春を謳歌する事となった。これが、この後の事件に繋がることは誰も想像できなかった。

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