第2話 TSっ娘とクラスメイト
「ということで、城崎は今日からこの格好で来るからみんなよろしくなー」
と、先生が声高らかに生徒へと言う。
「は?」 「城崎って...あの...いるかいないか分からないあの陰キャメガネ?!」 「合ってるよな?!でも俺話したことないし!」「私も」
クラスメイトは大困惑。まあ、そりゃそうなるわな。
「でもこの格好ってことは男好きって事だろ?」
「元男なのに?」 「ひゅーひゅー」
自分は苛立って立ち上がってしまった。
「でも、その服装すごい似合ってるよー!城崎くーん!」
その時、クラスの皆がざわついた。
「でもあそこまで変われるって凄いよね」 「どうやってんだろあれ」
クラスの雰囲気が変わった。さっきまでは疑念の目をしてたのに。今は城崎が暖かい目で見られている。
「あ...あり...ありがとう...」
城崎がそれを恥ずかしながらも口に出した瞬間、もうなんでもいいやとクラスのみんなは思った。
これでこの件も一件落着...と思っていたが、城崎には別の危機が襲いかかっていた。
「すごーい!なんでそうなったの〜?」 「メイクしてんじゃん!すご!」 「これ初めて?結構メイクしてんのに普通にナチュメに見える!」
あー...あいつ大丈夫か?今まであんま人と話したこと無かったからなー...
フラッ 話されすぎて城崎が椅子から落ちそうになる。
「危ない!」落ちそうになる城崎を間一髪で抱えた。
「お前あんま無理すんなよ...少しは頼れ」
「ん...」城崎が自分にもたれ掛かる。
その時。
パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
突風のようなカメラのフラッシュ音。全員がスマホを持ち、レンズをこちらに向けてシャッターを押している。
「ちょ...なんで撮ってんの!」
「いいからそっから動かないで!」突然の命令だった。理不尽だ。そこから約30分ほど、体勢を変えながら、何百枚も城崎と一緒に写真を撮られた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます