第4話 嗚咽
「うぅっ……ううぅっ……」
私の死を
――でも、意識がある。ここは死後の世界なのか?
私の身体は燃えるような熱に包まれていた。
感じたことのない
それは生命を超越した、真紅に
うそっ……うそでしょ?
血染めの
半分以上が鮮血で色濃く染まっている。
「なんで、どうして?」
「――美春、ごめん、ね……」
「そんな……お母さん‼︎」
「さみしい思いを、させて……」
その見るも無惨な異形の
どんなに救急処置を施したとしても、助からない。
もはや、その凄惨の極みは火を見るよりも明らかだった。
「どうして⁉ 私、死のうとしていたんだよ‼
どうしてお母さんが……‼」
「生きてさえいれば、きっと……春が、くるから……」
「私なんて、ハルなんて、死んでしまえばいいのに……」
いのちの炎がきえていく……
「こ、こんなことになるなら……私なんて……
私なんて生まれてこなければよかった……」
「い、生きてさえ、いれば、いつかきっと、
美しい春に、なれる、から……」
「お母さん 死なないで!!!」
最後にみせた、命のえがお。
母がながした最期のなみだ。
その色は、どこまでも、紅かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます