第20話 打つ手
アランは、顔の
「き、
「ふざけたこと、ですか?」
「ああっ! 俺が騎士の
――
という、ツッコミは置いといてだ。
僕は、口を開けた。
「
「お、俺は俺で、やる事をやっているんだ!」
「
「そ、そうじゃないっ! 俺は、
「…………」
これは、あれだな。
おそらく、視察という
新たな施設のアドバイスというのも、何かとケチをつけるだけの業務だろうと
僕から見たアランの
「フィル様……」
「何かな?」
「今、アラン様が口に出された仕事は、アラン様でなくても、出来ることなのでしょうか?」
「……うん、できるね」
「――フィル様!?」
「それに、彼が
「過剰な視察……」
僕は、アランを見た。
彼は、両手で頭を
アランは、言った。
「騎士を辞任してまで、お前に
そして、完全に
……まあ、そうなるだろうな。
と、何となくは予想していたが。
しかし、どうしたものか。
この男には、何としてでも騎士から
だから、絶対に騎士を辞任してほしいのだが。
「…………」
僕は、フィルに声をかけた。
「アラン様を騎士から
「……
「優し過ぎる?」
「ああ。たぶん、アランが
「なるほど。優しいというのも、
「そうだね」
…………。
「では、彼の部下の
「それも、難しいね」
「なぜでしょう?」
「僕の父さんは、アラン……というよりかは、騎士の
「…………そうなんですね」
「――くくっ! どうした?
「――では、フィル様は、彼の部下を動かすことは可能でしょうか?」
「「――えっ?」」
フィルとアランが、ほぼ
僕は、聞く。
「フィル様は、アラン様の部下を別の騎士の部下に
「そ、それは、可能といえば可能だけど……それをして、キミはどうしようと言うんだい?」
「シンプルな話です。騎士アランの部下を、0人にしたいんです」
それを
フィルは、言った。
「それは、
「では、それを
「…………」
フィルは、
「……分かった。それを実行しよう」
「ありがとうございます」
当然、アランが
「ちょ、ちょっと待てええええぇぇっ!!!?」
僕は、口を動かす。
「何ですか?」
「何ですか――じゃないっ! それ、
「もちろんです」
「ふ、ふざけるなっ!」
「僕は、何もふざけたことを言ったつもりは、ありませんが」
「ふざけているであろうっ! 俺の部下を0人にするなど……
「どこがですか?」
「ど、どこがって……っ。仕事が……っ! 仕事が終わらないだろっ! それを
「それは、どうでしょうか?」
「なに……?」
「仕事は、あなたの力をもってすれば、
「そ、そんなわけが――」
「――おかしいですね。あなたは、
「っ!」
「その
「そ、それは……っ」
「仕事が終わらないのであったら、上司から
「――っ、――っ!」
アランは、
僕は、そんな涙に
――アランは、言った。
「ぶ、部下が0人だと……俺は、何もできないぞ……っ!」
「では、どうしますか?」
「…………き、騎士を」
「はい」
「――辞任する」
そうしてアランは、騎士という肩書きを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます