第26話『神のご加護』
魔法による診察。魔法による治療。魔法で完結する医療。
軽い怪我程度ならこんな手軽に怪我が治ってしまう。
魔法のない地球ではあり得ないね。
私、アイリス・フェトミアは大した怪我でもなかったが、セトラさんの心配を無碍にすることは許されないことのため、治療を受けていた。
デグルサーペントの電撃を喰らいはしたが、痺れたこと以外はノーダメージ。私の魔法耐性が高かったからだ。
治療を終え、最後に教会で祈りを捧げることになった。
これからも無事に生きていけるよう神に祈るようだ。
因みに私は神を信じている。
二つの理由がある。一つは私が転生をしたこと。もう一つはセトラさん自身が神であるということ。一つ目は反論もあるかもしれないが、二つ目に関しては異論は許さない。
「アイリス様、こちらです」
シスター服の女性について行くと、大きな女神像がある大聖堂に着いた。
「これからの人生を見守ってもらうことを我らが神に祈りましょう」
しゃがんで手を合わせるシスターを真似て同じポーズを取る。
「(セトラさんに幸あれ……)」
「……ご自身について祈ってくださいね?」
「あ、バレるものなんですね。(ではついでに私もお願いします)」
シスターにため息を吐かれてしまった。
「いいですか? 我らが神『シーモニザ』様は、常に我らを見守ってくださっています。アイリス様は確か冒険者をしていらっしゃいましたね?」
「そうですね」
「魔獣が生まれるその仕組みはご存知ですね? 空気中の魔素から生まれる魔獣はこの王都には出没いたしません。その理由は、シーモニザ様が見守ってくださるからです」
「そ、そうなんですねー」
やだよ〜。宗教的な話は嫌だよ〜。
でも確かにそうだ。魔獣が街の真ん中で出現しないのは確かに不思議だった。
ふぅん。地球より神様のありがたみが強いね。
「シーモニザ様はこの女神像を通じて私たちに力を恵んでくださっているのです。……真面目に、真剣に祈ってくださいね?」
「は、はい。(私にご加護を……)」
シスターは満足したかのようにニッコリと笑みを向け、教会の外まで見守ってくれた。
あの人ナチュラルに思考読んでくるの怖いな……。
「さて、セトラさんに会いに行こっと!」
全速力でいつもセトラさんが泊まっている宿屋に向かい、居ないと分かったので色々探し回った。酒場にいた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
ほう……女神像か。
コイツが街の安全を守るヒーローってわけだな?
クックック……。楽しいことになりそうだな?
「なぁ? ミナセ……魔王への鍵……しっかり使って見せてくれよ?」
斧を屋根に突き立て、線を引き、魔法陣を描き施す。
「一ヶ月後が、ショウ……タイムだ……」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
お昼頃に近況ノートを出します。
これからの投稿についてです。良ければ見ていってください。
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