第23話『ギルドマスター』
ギルドに大きすぎる荷物を運ぶ際、重すぎて運べなかったためタムヨス達に力を借りて冒険者ギルドを目指す。
「はは、すげぇ見られてるな」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいよぉ……」
グロテスクマウンテンを引っ張っているため、視線が集まる集まる……。
ギルドに着くと職員がカウンターから駆け寄ってきて、何事かと状況整理をした。
「こ、これだけの数を……さすがミナセさんですね」
いつも対応してもらっているギルドのお姉さんにそんな風に褒められた。おかしいな、前まであまり印象良くなかった気がするけど……最近来ない間になんかあったっけ?
タムヨス達とギルドに併設された酒場で談笑しながらギルドの人たちの精算を待つ。
「お待たせ致しました、ミナセさん。こちらが買取額分のお金です。……それと、少しお時間を頂きたいのですが……よろしいですか?」
「た、たっぷりだねぇ……ミーくんお金持ちだぁ……」
「ミナセにとっちゃこれが一日の稼ぎなんだろ? エグいなぁ〜」
「驚くのもわかりますが、あまり人の報酬を見るのは良く無いですよ? 僕たちもいずれ越せるように頑張りましょう」
お時間よろしいかと言うお姉さんに頷き、これが一日の稼ぎだと勘違いされたことはとりあえずスルーする。変に否定するとややこしくなりかねない。
手伝ってもらったお礼としてこの場を奢り、ついてきてほしいとお姉さんに言われたのでその通りについて行く。
「……ミナセ、気をつけて」
「え?」
背後からボソッとリリィがそう呟いた。どう言う意味だろうか。
聞き返すとお姉さんに置いてかれそうなので、この場では問い返さなかった。
お姉さんについて行くと、豪華な……と言うか、校長室みたいな場所に連れてこられた。
え説教?
「ふむ、君がミナセ君か。……噂通りの格好だね。会えて嬉しいよ。私はこのギルドのトップを務めさせてもらっている、ギルドマスターの『ツマアガン・クーガギオ』だ。急に呼んでしまって悪かったね」
立派な椅子に座っている男性、ツマアガンが待っていた。
俺この人に叱られるのか? 普通に嫌なんだが。
「えっと……ミナセです。な、何かしましたっけ? 謝るんで許してください……」
「? 何を許せば良いのかね……? ただ君の冒険者ランクをCにあげようかと思っているのだが……君はそれでも良いかね?」
「え? なんでです? 俺、昇格試験受けて無いですけど……」
その後、同席するカウンターのお姉さんと、ギルドマスターから聞いた話だと、昨日お姉さんが俺らの狩りについて来ていたみたいで、デグルサーペントを討伐しているのを確認したとのことだ。
「えっとその……ちょっとお姉さんと話して来て良いですか? あ、部屋の外で……ありがとうございます」
許しを得て一旦退室。
「尾行してしまったことについては申し訳ありません……ですが、FからCへの飛び級の許しを得ることができました! これでミナセさんも高ランクの冒険者……」
「返答次第では……受け取ってください」
セーフティの外れたベレッタの銃口が喉を狙う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます