俺は戦争なんかしたくないのに!!

@yyotyo

第1話  戦争の始まり

 ガルシア帝国と、ヴァールズ王国の間では、長きの間戦争が続いていた。

両国ともに、魔法を使い、被害が広がって行く一方だった。


「ただいま」

「おかえり、兄さん」

小さな、今にでも崩れそうな家に二人の兄妹が住んでいた。

俺は、戦争の影響を受けないように森に引きこもって、妹と生活していた。

俺は、もともと、ヴァールズ王国の民だったが、戦場に行くのが嫌で、妹と国を抜け出してきた。

けして戦場が、怖かったとかではない。


 魔法は、魔力があれば誰でも使うことができる。魔力量によって使える魔法は、変わってくるが基本的に簡単な魔法は誰にでも、使うことができる。

しかし、約一万人に一人の確率で固有魔法を、持って生まれる子供がいる。

固有魔法は、唯一無二の魔法で、いくら魔力があっても、本人にしか使うことが出来ない。


 俺は、そんな固有魔法をなぜか、2つ持って生まれた。

 1つ目の固有魔法は、『魔力変換』というものだ。魔力変換は、感情などを魔力に変換することができる。怒りや悲しみを、強い感情さえあれば、魔力が無限というわけだ。

 2つ目は、『創造魔法』というものだ。これは、自分がイメージした物を生み出すことができる。生み出す物によって、魔力の消費量が違う。


 固有魔法を、持っているものだけでも戦況を変えるだけの、力があるとされる。

そんな固有魔法を、俺は2つも持っている。そんな事を、国が知ったら、戦場に駆り出される事間違いなし。そんなことになったら、妹のメアリーと一緒にいられなくなる。


「やっぱり、メアリーは料理の天才だな」

「そんなことないよ、兄さんはいつも褒めすぎなんだよ」

いつも通り、の夜だった。

ドンッドンッ

「誰か、いますか?」

普通なら、こんな森に足を運ぶ人なんていない。不思議に思った俺は、警戒しながらドア開けた。

「あっ、良かった。少し、匿ってもらえませんか?」

「どうしたんですか?ていうか、あなた誰ですか?」

「おっと、これは失礼。私はダーレスといいます」

軍服を着た男、ダーレスは、少し汚れていていた。

匿うべきか、迷っていると優しい、メアリーが、匿うように、言ってきたので匿うことにした。


「それで、あなたはどうしてこんなとこに、来たのですか?」

「私、見ての通り軍の者でして、敵軍の魔法によって、ここに飛ばされたのです」


そんなとき、外から足音が聞こえてきた。

「ここらへんに、飛ばしたと思ったんたげどな」

「あそこの、小屋にいるんじゃねーか?」


足音が、だんだん家に、近づいてきた。

そして、勢いよくドアが開けられた。

そしたら、二人の男が入ってきて、

「火球」

と言って、ダーレスとは違う軍服を着た男が、ダーレスを見つけた瞬間に、魔法を打ってきた。

ダーレスがそれを避けると、後ろにいたメアリーの右腕に、あたって火傷をした。

「アツッ」

その瞬間、自分の中で何が切れる音がした。

プツンッ

俺は瞬時に『魔力変換』を使い、無限の魔力を生み出し、『創造魔法』で、鉄の檻を作り、メアリーを傷つけたゴミを拘束して、火炙りにしてやった。

「ヤメッ、熱い、た、助けくれ俺が、俺が悪かった」

そんな、命乞いに耳を貸す必要は、なかった。

なぜならば、俺の世界一可愛い妹を、傷つけたからだ。同情の余地はない。

ついでに、もうひとりのやつも火炙りにした。


「す、すごい、これほどの魔法を使うとは」

ダーレスは驚きを、隠せずにいた。

「メアリー!大丈夫か?すぐに、怪我治すからな」 

「心配してくれてありがとう兄さん」

治癒ヒール

メアリーに、治癒ヒールを使うと、時が戻るかのように傷が、治っていった

メアリーの怪我はすぐに治った。

でも、俺の怒りは収まらない。


戦争さえなければ、メアリーは怪我を、することは無かっただろう。

ヴァールズ王国も、ガルシア帝国も絶対に叩き潰す。

その日、戦争に終止符を打つことを誓った。


その為には、俺だけの力だけじゃ足りない、

仲間が必要だ。

「ダーレス今、死ぬか、俺を手伝って生きるか選べ」 

ダーレスは、手伝うという選択肢しか残っていなかった。

「わかったよ、あんたを手伝うよ。」

「そういえば、あんたの名前は?」

「俺は、ラーズ」

その日、神殺しの英雄と呼ばれる男が初めて、動き出した日だった。


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