第27話 『ふらふら』
助手くんの忠告も時すでに遅く、非力なドク博士は脚立を持ったまま、あっちにふらふら、こっちにふらふらしてしまいます。助手くんは手助けしようと近づきますが、不安定に踊るドク博士に中々どうして手出しする事ができません。その内に……
「きゃん!」
ドク博士は、左腕を下敷きにする様に転んでしまいました。その際、手に持っていた脚立を手放してしまいますが、幸いにもドク博士の上にも、助手くんに向かって落ちていく事もありませんでした。
「博士、大丈夫デスか?」
「うぅん〜、痛いのじゃ〜っっ」
助手くんは、心配しながら手を差し伸べると、ドク博士は素直にその手を取り、ゆっくりと立ち上がりました。
「す、すまぬ助手くん。助かったぞい」
ドク博士は御礼を口にすると、助手くんは、胸元で右手を『ふりふり』しながらドク博士の身体を気遣います。
「気にしナイデ下さい、助手くんデスから。それよりも、オ怪我はアリマせんか?」
「う、うむ。儂は大丈夫じゃ。ところでーー」
ドク博士は、何かを思い出したかの様に辺りをきょろきょろと見渡します。
「儂が手にしていた脚立はどこいったかの?」
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