第26話 『脚立』
タイムマシン起動まで時間が迫るなか、ドク博士は腕組みをし、うんうんと唸り出します。助手くんは、そんなドク博士に諦めず取り消しコードを拒否するプログラムを取り消すプログラムを開発する事を懇願しますが、取り合ってもらえません。
爆破……タイムマシン起動まで、あと2分に差し掛かった頃でしょうか? ドク博士は、何か閃いたかの様に大声を上げると、助手くんに背を向け、決して褒められない足の速さで走り出します。
「博士、ドコへに行くのデスカ!?」
ドク博士の行動に驚いた助手くんも、少し遅れて後を追いかけます。ドク博士の向かった場所は、2メートル程の脚立が立てかけてある、部屋の角でした。ドク博士は、その脚立をなんの躊躇もなく両手で掴みます。
ドク博士の真後ろを、追い抜かない様に付いて来た助手くんは、『あわあわ』しながら理由を聞きました。
「その脚立ヲ、一体どうスル気デスカ?」
「うむ。この脚立を使ってじゃな……」
一拍の間を置いたのち、ドク博士は脚立を壁から離すと、身体に対して縦に持ったまま、タイムマシンに向かいます。
「タイムマシンに乗るのじゃ〜っっ!!」
「博士〜! ヒトリで持ったらアブナイですよ〜!!」
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