第25話 ダンジョン5


 それからも順調に進んで、40階層。

「後ろにいろよ?アキ?1人でいいか?」

「たまにはタカがやれよ!」

「チッ!こっち頼むぞ!」

「おう!」

 相手はべヒモスらしいな。

 毛むくじゃらの鼻の無い象のようだな。

「サンダークラッシュ!」

『ウゴオオオォォ』

「そら!よっと!」

 痺れて少し潰れた身体を一刀両断する。

 消滅したべヒモスからは魔剣ザリードと魔石がドロップした。

「魔剣いるか?」

「ん?いらね!俺聖剣派だから」

「なんだよそれ」

 んじゃもらうか。

「な、なぁ!タカも強く無いか?」

「俺より強いっすよ?」

「おいアキ!」

「本当のことだろう?」

「チッ!まぁな!」

「そ、そうか!タカがいれば安心だな!」

 安心されても困るけどな。


 それからも順調に下に降りて行くが、50階層も普通に突破する。

「アーキー?どこが、50階層なんだよ?」

「あれ?おかしいなぁ?まだ下があるみたいだ!」

「はぁ、そんなことだろうと思ったよ」

「まぁ、しょうがない!サッサと行こうぜ!」

「あぁ、しょうがないな」

 60階層、リッチ!

「なんで骸骨がこんなに出てくんだよ!」

「聖剣召喚!おらぁぁ!」

 リッチごとスケルトンを薙ぎ倒して行くとドロップに変わる。

 リッチの腕輪と魔石をドロップ。そして宝箱が出て来た。

「おぉ!宝箱!」

「鑑定したけど罠はないようだな」

「何が出るかな?よいしょ!」

 マジックバッグだった。

「なんだ、直人にやるよ!」

「えぇ!いいの?もらうよ?ありがとう!!」

 と機材を入れている。

「あはは!やったね!」

「私も欲しいなぁ」

「後でタカに頼んでやるよ」

「おい、そこ、聞こえてるぞ」

「あ?俺のじゃないからいいだろ?」

「はぁ、わかったよ」

 しょうがないな、アキの彼女さんは一般人だしな。まぁ、それでも槍持って頑張ってるからな。


 70階層、サイクロプス。

「タカ!よろしく!」

「あ?ふざけんなよ!っと!この野郎!」

 パンチして来たので避けると、帯電でアクセルを使い腕を登って行って眼球を魔剣で真っ二つに斬り、今度は剣に火を纏わせると首を刎ねる。

「バカじゃねえか?いきなりスイッチすんなよな!」

「いや、馬鹿でかいからさ!ここはタカの出番かなって?」

「はいそうですかじゃねーんだよ!」


「仲良さそうじゃん」

「「どこが?」」

 直人がサイラスみたいなことを言い出す。


 サイクロプスは皮とツノと魔石をドロップした。


 ったくどこまで続くんだ?


「タカ?牛丼ある?」

「お前の分はない」

「む!じゃあモックでいい」

「ダメでしょ!ちゃんと頼まないと!」

「だって!」

「彼女に感謝しろよ?っとに」

 と牛丼を出してやる。

「やった!ありがとう」

「ほら、みんなの分」

「はーい!ありがとうございます!」

「ほれ直人!」

「お、おうサンキューっていったいどんだけ入ってんだよ?」

「四次元ポケットなんだよ」

「人をロボットみたいに言うな!こんなこともあるだろうから食料は多めに入れてるだけだ」

「すげぇな」

 しかし、これでもう3日目に突入するぞ?

 テントで寝ているみんなを起こさないようにアキと夜番を変わるが、

「なぁ、タカ?ここどれくらい深いと思う?」

「さぁな?100いったら帰ることも考えないとな」

「だな!まぁ2人いればなんとかなるよな!」

「まぁな、いいからサッサと寝ろ!」

「うぃ!サンキューな!」

 と言ってテントに入って行くアキと変わるように直人が出て来た。

「まだバッテリーあるのか?」

「おう!予備の予備まで持って来たからな!それより100なんていけるのか?」

「あぁ、聞いてたのか、いけるだろ。あのバカもいるしな」

「ふーん、なんだかんだ言って仲良いな」

「バカ言え」


 100階層、ホワイトドラゴン!

「タカ!いけるか!」

「お前こそ!」

“コォォォォォ”

「サンダークラッシュ」

『ゴブックハァッ!』

「ブレスなんか吐かせるかよ!」

「聖剣召喚!ファイナルブレイブ!」

「浅いぞ!おらぁぁ!」

 月属性の闇を纏わせてアキの斬ったところをなぞるように斬る!!

『ウゴオオオォォ』


 ホワイトドラゴンは消滅して聖剣グランと皮と魔石をドロップした。


 そして宝箱がまた出たので開けると欠損を治すポーションが2個出て来た。

 俺とアキで一つずつ手に入れると、ようやくダンジョンコアが現れる。

「で?このまえはどうしたんだ?」

「触ると選択肢が出てくるんだよ、帰るか、ダンジョンコアを取るか、スキルをもらうか」

「で?スキルをもらったのか?」

「おう!土魔法だったけどな」

「彼女は?」

「風魔法だった」

「んじゃ全員貰えるんだな?」

「そうみたいだぞ?」

 なら一択だな。

「全員コアに手を当ててスキルをもらうにしろよ?」

「「「「「「「「はい」」」」」」」」

「せーの」

 とりあえず変わりはないが、

 俺がもらったのは転移だった。


 他のみんなもそれなりにいいのをもらったみたいだな。

「直人は何貰ったんだ?」

「俺は剣術だ!」

「そうか、ならこれやるよ」

 黒鉄の剣を渡すと、

「いいねぇ!かっこいいな!」

「そのうち1人でダンジョンいきそうだな?」

「いやその時は一緒に頼むぜ」

「分かったよ!」


「帰るぞー」

「おう!」

 もうダンジョンコアは見えなくなっている。

 後ろにある石板に手をついて最上階に転移する。

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