第19話 ダンジョン2


 今から一年ほど前にできたダンジョンは始まりのダンジョンと言われて、そこからどんどん地震なんかでダンジョンの入り口が浮き出て来た。

 入ってみると銃火器はあまり役に立たなくて、剣や槍がダンジョンでは有効だと言うことがわかる。

 そのあとはダンジョンからの産出品で魔石というものがあり、魔石からクリーンエネルギーが取れることがわかるとダンジョン法の改定がなされ、一般人でもギルドに登録するとダンジョンに潜れるようになった。ダンジョンの前にある石碑に手を当てるとスキルと言う特殊な力に目覚め、それを使ってダンジョンを攻略するものが増える。

 そうしてダンジョンから産出されたものはギルドが買取、新しいエネルギーに変換していく流れだ。


 若い奴らはこぞって集まり、不思議な力、スキルを求めてダンジョンに殺到した。


 で、これだけ多くの人間がダンジョンに行くことになってくると今度は群れを作り出す。クランという名の組織が作られ、またその中のパーティーとして何名か単位でパーティーを組んでダンジョンに潜るようになった。


「っとここら辺だな」

「ありがとう、んじゃクランは認められた組織なのか?」

「そうだな、申請が通れば晴れてクランとなるわけだな」

「ほー。んで、それだけか?」

「まぁそうだな。あわよくば持ってればいいなぁと」

「売りに出すのか?」

「いや、今ナンバーワンの冒険者が困ってるんでな」

「はぁ。一個ならあるぞ」

「マジか!」

「でも多分これ以上は手に入らんと思うぞ?」

「一個ありゃ十分だ!よし!これで独占取材もできる!」

「それ目当てかよ、で?いくらで買ってくれるんだ?」

「任せろ!交渉してくる。明後日のこの時間にまたここで!」

 と走り去っていく。


 まぁ、悪いやつじゃないからな。


 窓からよく見ると冒険者という格好のやつが歩いてるな。銃刀法はどうなったんだ?

 調べてみると抜刀法に変わっていた。持ち歩く分には鞘に入れておけばいいらしいな。

 魔法の規制は今のとこないようだ。


「よしこれなら全員で飯に行けるな」

 俺は寿司屋を予約して家に帰る。

 ゲームをしてる音がするな。

「ただいま」

 またドタドタと走って来て、

「「「「「お帰りなさいませ」」」」」

「はいただいま」

 みんなを連れて寿司屋に行く。

「へいらっしゃい!何握りましょう」

「全員お任せで、後ビールを」

「へい!」

 と、威勢のいい掛け声と共にビールが出てくるとみんな目が爛々としている。

「乾杯」

「「「「「カンパーイ」」」」」

「ングングングング!ッハー」

「美味しい!エールの何倍も冷たくて美味しい!」

「あー、幸せだ」

「…本当に」

「ですね」

 とみんなうれしそうだな。

 タイやハマチ、いか、たこ、大トロ、いろんなものを食べては感動している。

「お、おいひいです」

「とけるぅー」

「プチプチしてるな」

 と感動して泣いているな。食べさせがいがあるね。

 

 お会計はプライスレスだな。

 代行を頼んで家に帰るとみんな満腹で動けないようなので1人でビールを飲もうとしたらみんなもいるらしい。

「もうエールに戻れない」

「ビール美味い」

 いい感じに酔っているようなので布団を敷いてやる。

 みんなテレビを見ながらあれやこれやと話題が尽きないもんだな。


 次の日起きるとみんな二日酔いらしいな。

 まぁ飲み慣れないものを飲んだからだろうけどな。

「うあっ。頭が…」

「ヒール」

「あっ!スッキリしました!」

「まじか!ヒール万能だな」

 皆んなにヒールをかけてやり、それから読書タイムだ。錬金術の本も読みたいが、まずはもう一度、魔法の本を読み直す。

 欠損はフルケアと言う魔法で治るそうだが、今回はポーションを使ってもらうか。


 魔法で治すと後がめんどくさそうだしな。

読み返して分かったが太陽と月の魔法の複合で付与と時間があるようだな。結構無茶してたんだな。


 さて、錬金術の本を読み出す。薬草は蓬に似てるな、煮出して魔力を込めると完成らしいがとりあえずは今やることでもないので、これは道具が揃ったらやるか。


 それよりも暇そうなみんな、(リズは鍛治の本を読んでいるが)をなんとかしないとな。

 ギルド登録には外人だと別に本人確認は必要ないようだな。まぁ、海外のギルドカードが使えるのでそこら辺はまだザルなのだろう。

「よし、ギルド登録に行くぞ!」

「「「「「はい」」」」」

 近場の人があまりいないところに向かうと何人かはやっぱいるんだな。

 中に入って会員登録をしたいと言うと後ろにある用紙に書いて出すそうなので6人分を書く。

「すいません」

「いやいいよ。こんなの仕事のうちに入らないからね」

 と昔の仕事を思い出すな。

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