第18話 ダンジョン
「ダンジョンってなんだ?詳しく!」
『はぁ、ダンジョンはお前が薬を渡してから一か月くらい後で見つかったらしい、今じゃ至る所にあるがな』
「は?そんな短期間でそんなにできてるのか?」
『今じゃダンジョン特需で産業が回ってるって言っても過言じゃないくらいだ。冒険者が幅を利かせてる』
「そうか…俺がいない間に」
『本当に知らないみたいだな。今どこだ?会えないか?』
「いや、ちょっと用事がある!明日でいいか?」
『分かった、明日またロイヤルホテルのロビーに3時な?』
「わかったよ」
と電話を切る。
「あっちはまだ電話してるな」
とビールを飲んで電話が終わるのを待っていると、ようやく終わったのか疲れた顔で戻って来てビールを飲むと、
「はぁ、疲れた」
「お疲れさん、これで家に帰れ」
と1万円渡す。
「サンキュー、それよりダンジョンができてるらしいな?」
とアキが言ってくる。
「お前も聞いたか?」
「おう、それに巻き込まれたと言っておいた」
上手いこと言ったもんだな。
「いい隠れ蓑だな」
「まぁ、言い訳ができてありがたいがな」
「平和な日本に帰りたかったんだがな」
平和すぎるくらいの日本が恋しいな。
「だな。まぁ、これで俺の勇者の力が使えるからいいのかもな?」
「まぁ、特需らしいしその手の仕事にはあぶれないだろ」
グイッとビールを飲み干すとアキは立ち上がり、
「んじゃタクシーつかまえて帰るわ」
「は?俺もタクシーだ!先に帰らせろよ」
「は?つかまえたもん勝ちだろ?」
と結局、番号の交換はせずに喧嘩しながら帰ってきた。
よし、とりあえず扉に魔力を送り時間はあの時の後にしてノブを捻り開ける。
下が賑わっている。
降りていくと、魔王が討伐されたとみんな喜んでいるが、一つのテーブルはお通夜のようになっているな。
女将にエールを頼んでそのテーブルに座る。
「お姉ちゃん達はなんでそんな暗いんだ?」
「あ!」
「…バカ」
「やった!」
「帰ってらっしゃった」
「お帰りなさい!」
みんな涙を流している。
「あぁ、ただいま」
「「「「「お帰りなさい」」」」」
とみんなで乾杯だ。
色々と聞かれたが、あんなに魔王が弱いとは思わなかったな。と笑い話だ。
みんなで騒いでようやく人心地ついた頃には6人部屋でみんな一緒にベッドに着くと、
「タカ様!明日は何をするんですか?」
「とりあえずポーション類を買いに行くかな?」
「タカ様なら作れそうですけど」
「そうだな、そっち系の本も欲しいな」
「はい!案内します」
「…久しぶり」
「そうだな、みんなとこうしてるのも久しぶりだしな」
「私も強くなったよ!毎日狩りに行ってたからね!」
とイライザが言うと、
「はい!今度は置いていかれないように」
ルメラが俺に向かって喋る。
「そうか!みんなありがとうな!」
「「「「「はい」」」」」
そして朝になり、流石に5人相手はキツイよな。
夜伽って怖いぜ。
太陽が眩しいがとりあえず今日やることをやっとくか。
ポーション屋に行く。
「お婆さんまた買いに来たけど欠損を治すポーションはあるかな?」
「あぁ、あるよ?それに他のポーションもね」
と言われてとりあえず全部の種類を買っていく。
そして本屋に行くと錬金術の本なんかを買う。リズが鍛治の本を欲しがったので買ってやる。
そして女将にまた来ると言って日本に帰る。
「やったー!また日本だ!」
「…ここも久しぶり!」
「ゲームしようよ!」
「それより掃除が先でしょ?」
流石に一年も経ってると埃がひどいから掃除をお願いする。
昨日の俺の足跡がくっきり残ってるな。
掃除機だけじゃなくてハタキや雑巾なども出していく、みんなで柱や床を拭いて回るが、途中で思い出してクリーンをかけるとみんなから白い目で見られた。
「ハハッ、忘れてたよ」
「もう、私たちも忘れてましたけど」
とやっと綺麗になった我が家でゲームをし出すみんな。
そろそろ時間になるので後をお願いして俺は車でロイヤルホテル近くの有料駐車場に停めて向かう。
「よう!」
「おう、髭なんか生やしてどうした?」
髭を蓄えている高校からのツレの
「ん?貫禄がつくだろ?」
「変だぞ?ってそれより話ってなんだ?」
あの薬は一応買って来たが、
「お前がダンジョンから取って来たあの薬だが、今や幻の薬だ。で?持ってるのか?」
「持ってないが?」
「くぅ、やっぱりか!いまじゃ100億はくだらないんだぞ!」
そうか、それは凄いな。
「それはしょうがないだろ?でも5億で俺は満足したぞ?それに復活したんだろ?」
「あぁ!復活劇はそりゃしたが、今度はダンジョン特需だ!今じゃ冒険者ランキングなんてものも出てるしな!」
「ほぅ、そうなんだな」
「マジで知らないのかよ」
「知らん!まぁ、ダンジョン自体には興味あるがな」
「じゃあ教えてやるよ」
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