第11話 肉


「ただーいまっと」

「「「「「お帰りなさいませ」」」」」

 ドタドタと走ってくる5人にただいまと言い、…とりあえず服を買いに行くか。

 防具を外してもらい、ブーツを履いて外に出る。あ、アーシェの猫耳と尻尾があったな。

「アーシェとイライザ、悪いが尻尾は隠せるか?」

「え?何故ですか?」

「こちらの世界に獣人がいないんだよ」

「な、なんでっ!っ!しょうがないです、わたしは」

「あっ!そうか、お袋のスカートがいいな」

 と一緒に部屋に戻りお袋のスカートを探すとあった。ロングスカートを履いてもらうと尻尾は隠せたな。

 あとはアーシェの耳だが、麦わら帽子を被ってもらう。

「うー、しょうがないですね」

「よし、車に乗ってくれ」

 俺の車は6人乗りのSUVだ。

「シートベルトをして、そう、ここに刺す」

「はい!」

 助手席はルメラだ。

 そう言えばエルフの耳は…今は髪を下ろして見えないからいいか。


 近くのウニクロに行き、店員に全て任せる!

「下着やなんかもお願いします!お金はありますので似合うのを選んでください」

「わ、わかりました」

 と選んでもらっている間に俺も自分の服を選ぶ。

 みんなは車に驚き、道や建物に驚き、この店にも驚いて固まっているので店員さん任せになっているな。

 

 全て選ぶのに結構時間がかかりもう夕方になってしまった。

「みんな似合ってるよ」

「えへへ、そうですか?」

 ルメラとイライザは大人っぽく、リズはスポーティーだ、アーシェとリシェルは可愛い感じになった。

 まぁ、尻尾や耳がバレなくて良かった。

「えへへ、耳はカチューシャ?っていうのでバレませんでした」

「いや、バレたな。もうあの店には行けない…いや、今来てるサイズで服を注文すればいいか」

 今じゃネットがあるからな。


 個室の焼肉屋に予約して行くと、奥の座敷に通される。

「タカ様?ここは?いい匂いがしますけど」

「肉を食べるところだよ?肉は嫌い?」

「「「「「好きです!」」」」」

「じゃあ食べ放題だからみんなちゃんと焼いて食べるようにね?」

「はい!」

 みんなで焼肉をして食べる。

 皆笑顔で網が見えないくらい乗せて焼いている。

 途中で網を交換してもらい、また隙間なく肉を入れる。イライザが殆ど生の肉を食うハプニングやら喧嘩をしながら肉を奪い合うなどしていたがワイワイと楽しんで食べた。


 夜の街をドライブすると、その明るさにビックリしている。激安の殿堂にいって、またシャンプーとコンディショナーを大量に買う!姿見もあるだけ買って車に積むふりをして収納すると、家に帰る。

「はぁ、夢のようでした」

「ほんとに」

「私はお腹いっぱい」

「お肉柔らかかったね」

「服が少し汚れちゃいました」

 クリーンを全員にかけてやると、その日は家で寝ることにした。


 客間に布団を敷いて5人におやすみをして自分の部屋でスマホを操作して業務用のシャンプーとコンディショナーを買う。

 リシェルが夜伽にきたが、今日はお腹いっぱいだろうから寝なさいと言って寝かせると俺も横になる。


「…私こんなに幸せでいいんでしょうか?」

 珍しく長文だな。

「いいだろ?幸せなら」

「…はい」

 と言って抱きついてくる。


 朝になるとやはり夜伽はいいと言ったがやってしまったものはしょうがない。

 まぁ、幸せそうに眠るリシェルを起こさずにスマホで色々買っていく。


「…おはよ」

「あ、おはよ」

「…何を?」

「ん?買い物かな?これで欲しいものを頼めるからね」

「…さすが」

「ハハッ、俺が凄いわけじゃないけどね」

 とリシェルと喋ってると、

『コンコン』とノックがするのでちょっと待ってもらって着替えて扉を開ける。

「おはようございます!今日は何をしましょうか?」

「うん、その前に朝ごはんを食べに行こうか」

「はい!」

 モックのドライブスルーでバーガーを買って帰ると、モックも好評でみんな朝からガッツリ食べるな。

 昼頃になったので一度異世界に戻る。

 まぁ、同じくらい時間が経ってるのがいいのでそれを念じながら魔力を流してドアが光ってドアを開けると部屋には日差しが降り注いでいた。

「うん、もう慣れたもんだな!」

「さすがタカ様!」

「いまは昼時ですね」

 と外を見ながら言うアーシェ。

 服が気に入ったのかその上から防具をつけてるリシェルに、イライザもズボンに尻尾用の穴を開けてやったからそれを履いてブーツを履いている。まぁこっちでは浮くであろうファッションをしているが似合ってるのでいいだろ。


 こっちでやることはレベル上げと商業ギルドに売りに行くことだな。


 ギルドにはこの前売ったばかりだから今日はレベル上げに行こうかな。

「よし、狩りに行こうか?」

「「「「「はい!」」」」」

 と言うわけで狩りに来たわけだが索敵に反応しないな。

 と思ったら多くの反応があり近づいてくる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る