2023年10月25日 22時56分

 ども、怪談集めまSHOWの管理人ショウタです。

 色々と忙しくて大分時間が経ってしまいました。すいません。


 友人Tはまだ戻って来ていません。

 この間、Tが最後に立ち寄ったS岳麓のコンビニに行きました。その時に見た情報提供呼びかけのビラが薄茶色く色変わりをしていまして……。

 いなくなってそんなに時間が経過しているのか、と寂しく思ってしまいました。

 

 前々から行こうと思って行けていなかった地元の図書館に、やっと先週行ってきました。

 ダメ元で古い新聞のデータベースを探してみましたらなんと、高校時代にTが教えてくれた明治時代の事件と思われる新聞記事に行き当たったんです。

 

 こういうことを言うと恥ずかしいですが、Tとの絆がまだ繋がっている。そんな気持ちになって、ちょっとほっとしました。


 事件概要はTが教えてくれたものとほぼ同じでした。

 夫の暴力に耐えかねた妻が、夫を襲って生後間もない我が子と共にS岳に入って行方不明。夫の方は2日後に沢で遺体で発見。

 

 その流れに大きな差異はありませんでした。明治時代なことも一緒だし、Tが見つけた事件はこれで間違いないと思われます。


 でも事件の記事を色々と読んでいてひっかかることがあったんです。初めは何となく読み飛ばしていたから気付かなかったのですが。

 何がひっかかって来たかって……。

 

 第一報では「昨日」としか書いてなかったものが、続報の記事では「去る3日」ってなってたんです。


 そんでもって続報が載っていた記事の日付は「明治12年 2月6日」なんです。

 分かります?

 事件があったのは「2月3日」なんですよ。


 この日付の何がそんなにひっかかる? て思うかもなので、もう一度整理してみますよ。


 まずは、Mさんのお話しにあった300年前の「白い男」です。前回の話を読んでもらえば分かりますが、白い男が集落に現れたのはお籠りの日でした。つまりは「2月3日」です。


 次に明治時代の、奥さんとその子供。

 この人達も「2月3日」に事件があって山に入っています。


 そして俺の友人T。

 あいつが携帯基地局のメンテナンスのためにS岳に入って、行方不明になったのも「2月3日」なんです。


 時代も性別もいなくなった状況も、全てバラバラな3件に唯一、共通しているのが「2月3日」であることなんです。

 どうでしょう?

 俺って考え過ぎなのでしょうか?

 友人Tの行方に囚われ過ぎておかしくなってきているのかな?

 

 でもどうしても気になるんです。

 この共通点に気付いてから、頭の中から「2月3日」が消えないんです。

 一体これは偶然なのでしょうか。いや、こんな偶然あるわけないですよね?

 そうですよね?

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