第21話 ルセリアさんのステータス

 町に入った僕たちは、そのままギルドに。


 丁度掃除を終えた受付嬢さんたちが、受付業務に戻ろうとしていた。

 僕に気がついたアイシアさんと目があった。


「バン君?何故そちらの方と一緒にいるのかしら?」


「君の担当かい?可愛いね!」


 アイシアさんの問に僕の横にいたゾーイさんが、アイシアさんの手を握ろうと動いたのが何となく分かり、慌てて間に入った。

 何となく感じたんだ。この人絶対女好きで手が早い人だと。


「はい。えっと、アイシアさん、ただいま。こちらミスティックさんたちで、先程北西のダンジョンを討伐した時に絡まれちゃって、助けてくれたんです」


 アイシアさんが驚いていた。


「ちょっとバン君、どういうこと?君がダンジョンを攻略するの、フィーバーが開始してからじゃなかったの?」


シンディーさんがゾーイさんの頭を掴んでアイアンクローしているが、ルセリアさんが改めて聞いてきた。


「彼女が君の担当かい?」


「あっはい。アイシアさんです」  


「ほう。君はバンスロット君がダンジョンを攻略したと言ったのに大して驚かないのだな」


「はい。バン君は初めて魔物を討伐してから3ヶ月でランク10から8に上がりましたし、討伐すると誓っていました。それにダンジョン討伐隊の貴方達が一緒にいる。それが事実だと物語っていると思いますよ」


「ベッカル、このお嬢さんに一本取られたな。アイシアさん、すまないが至急ギルドマスターに取り次いでもらいたい。忙しいとか言ったらルセリアが来たと言って欲しい」


 アイシアさんは頷くとルセリアさんに一礼し、ギルドマスターのいる2階に行った。

 多分ギルドマスターの所に1分もいなかったと思う。

 戻ると手振りでついてくるようにし、ギルドマスターの執務室のドアをノックし、入れと一言あり扉を開け、僕たちに入室を促した。



 アイシア視点


 バン君がギルドに到着したとき、私たちは掃除を終えて受付に戻ろうとしていたの。これからの時間帯が一番混むのよね。


 何故ダンジョン討伐隊のミスティックと一緒にいるの?話をしているから偶々一緒のタイミングでここに来た訳じゃなさそうね。


『バン君?これは驚いたわ。ミスティックと一緒だなんて何故?』


 つい呟いたけど、目が合ったから事情を聞かないとね。


 ・

 ・

 ・


 ダンジョンをクリアしたって?マジですか?もうクリアしちゃったの?ちょっと、お金大丈夫?奴隷の子を買うって言ってたけど足らないんじゃ?


 ・

 ・

 ・


 さて、ギルドマスターに報告っと。


 トントントン


「誰だ?今忙しいんだが」


「緊急事態です」


「まあいい。ガセだったら許さんぞ」


「今ルセリアさんがロビーに来られまして、北西のダンジョンが攻略されたと、ギルドマスターに取り次いで欲しいとのことですが、連れて来ても良いでしょうか?」


「何だと?まだダンジョンフィーバー前だぞ?。分かった。連れてこい」


 フフフ。流石にギルドマスターも驚いたようね。


 ロイ視点に戻る。


 アイシアさんが伝えたらそのままギルドマスターと面談になった。

 僕ギルドマスターって全く知らないんだよね。


 アイシアさんの直ぐ後ろをルセリアさんが続き、堂々とした態度で僕たちを引き連れていった。


 ギルドマスターの部屋に入ると、ルセリアさんは礼儀正しく報告を始めた。


「ギルドマスター、私たちミスティックはダンジョンフィーバー直前にこの若者、バンスロット君がクリアしたことを目撃しました。彼は1人で隠しボスを倒し、見事主を討伐したとのこと。詳細は彼の口から聞いて下さい」


 詳しい話は後にするとして、概要だけ話していったんだ。


 ギルドマスターは深い関心を持って僕を見つめ、頷いた。


「バンスロット君、君の勇気と力に敬意を表する。ミスティックの皆さん、彼を連れてきてくれてありがとう。これはギルドにとっても大きな成果だ。討伐隊以外の一般冒険者が討伐を果たしたなんてこの数年聞いたことがないからな」


 そこからどう見ても無意味な袋小路のこと、そこから隠し部屋がありモンスターハウス、隠しボス部屋に入り、主から攻撃をされたこと、主とはいえボス部屋にからはボスか冒険者が生きていると出られず、僕がボスを倒したその瞬間、再び襲ってきた時に反射的に斬り裂いたことをかいつまんで話した。


「うむ。後日領主様から呼び出しがあるやも知れぬ。所在をアイシアに伝えておいてくれ。討伐ご苦労だった」


 ギルドマスターの執務室を出るとそのままアイシアさんを含め会議室に移り、魔核の引き渡しとドロップ品の鑑定を行った。


【古代の戦士の盾】

 レアアイテムで、腕に装着し任意に脱着ができ、所有者が念じれば異空間に消え、装着したいと念じれば現れるミスリルの小盾。ミスリル特有の自己再生能力あり。


【魔力を帯びた大剣】

 ミスリルの大剣。刃の長さは1.2mもある。握りを含めると平均的な女性の背丈を超える。魔力を込めて振ると魔物にしか当たらない空気の刃を放つ。ミスリル特有の自己再生能力あり。



 主から出た【スキルオーブ】

 擬態術

 周りと同化し、触れても周りと同じにしか感じない。殴れば術者を掛けられている者にダメージは入る。尚、言葉(うめき声を含む)を発すると術が解除される。


 ギルドでの鑑定は本来お金を取られるのだけど、アイシアさんがお願いされた時に体重を減らすことでたたでやってもらった。

 本当は駄目なんだけどねと言うも、鑑定したかどうかは本人たちが口にしなければオッケー(アウトです!)



 基本的に鑑定持ちしか受付嬢にはなれないので、その場で鑑定することはよくある。


 また、その場で女性陣3人の体重を減らした。とくにルセリアさんのステータスがやばかった。

 ここから2kg減らしたんだけどね。

 因みにギフトやスキルは見えなかった。前回の確認からレベルは1上がっていると言っていたな。


 名前 ルセリア

 身長 166cm

 体重 56.2kg→54.2kg

 職業 冒険者

 レベル 32

 ランク 8

 力   1090

 体力 1122

 知力 663

 魔力 684

 敏捷 1211


 ポイント 1140→1340


 ルセリアさん  2kg

 シンディーさん 2kg

 オシーリスさん 1kg

 計5kg減らし100ポイントゲットしたんだ。


 ミスティックさんたちは町にらず、そのまま北西ダンジョンの様子を見に来ていたのもあり、まだ宿を取っていないからと体重を減らして満面の笑みでギルドを後にしていったんだ。


 明日ゾーイさんと何処かに行くけど、その後夕食を共にしようと誘われ、約束をしたんだ。

 


 名前 バンスロット

 身長 168cm

 体重 64.7kg

 職業 冒険者

 レベル 8

 ランク 8

 力   471 (430[+0])

 体力 485 (432[+0])

 知力 203 (163[+0])

 魔力 233 (193[+0])

 敏捷 582 (521[+0])

 スキル 

 見切り

 擬態術【new】 


 ギフト

 ステータス操作(体重)

 ポイント 1300(1000[+40+260])


 スキルは皆の眼の前で自取得させられた・・・


 注)体重操作分のポイントは、受付嬢から8kg分160pと、今回の5kg分100p



 本日のリザルト

 主の魔核 200万g

 集めた魔核 11万g【体重計測に必要なので全ては売らない】

 ボスの魔核15万g

 計 226万g

 ポイント 100p



後書き失礼します。


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