第6話 閑話・大陸や神々について
僕がギルドの酒場で食事をしていると、隣のテーブルから興味深い話が繰り広げられていた。
どうやら物知り顔の冒険者がドヤ顔で話しているけど、少し耳を傾けてみることにした。
「おい、聞いたか? ノルディアの戦士団がまた大きな勝利を収めたらしいぞ!」細身の冒険者がエールを片手に仲間に話しかける。
「本当かよ? ノルディアって、あの北の寒い国だろ? 戦士と魔法使いが強いって聞いたけど、そんなにすごいのか?」
既にかなり酔っている仲間の1人が話に興味を示したようで食いついていた。
「そうそう。ノルディアは古代から続く王族が治めてるんだ。王家は強力な魔法の血筋を持っていて、国民からは神聖視されてるらしい。しかも、魔法鉱石の産出地だから経済もかなり豊かなんだってよ。」
僕は興味深そうな話に更に耳を傾けた。
他の国の話か!いつか行ってみたいな!
「へえ、そんな国があるんだ。エステリアも興味深いけどな。あそこは自然と共生する文化があるって聞いているぞ。」
「そうだな。エステリアは選ばれし者が治める神聖な共和国だってさ。森の精霊に選ばれた指導者がいて、農業と狩猟が盛んなんだ。特に果物が美味しいって評判だぜ。」
「確かにエステリア産の果物は大陸全域で高く評価されてるって話だな。木材や薬草も重要な輸出品なんだろ?」
「その通り。エステリアは自然の恵みに感謝し、精霊を崇拝してるんだ。平等主義を重んじる社会だから、階級差があまり感じられないって話だぜ。」
「ふむふむ、面白いな。ソルディアについてはどうなんだ?」
「ソルディアは南部の砂漠地帯にあるんだ。水が貴重で、評議会が水の管理をしてるんだよ。その技術はすごくて、なんでもお天道さまの力や特殊な鉱物を使った技術で繁栄してるらしいぞ。水の管理者は社会的に高い地位を持ってるんだとよ。」
「へえ、過酷な環境でも工夫して生きてるんだな。ウェスタリアはどうだ?」
「ウェスタリアは海洋国家だ。強力な海軍と豊富な海の資源を誇ってる。貿易で栄えてるから、いろんな文化が交差してるんだ。航海術が発達していて、海産物や貴重な珊瑚が主な輸出品だぞ。」
「なるほど、各国それぞれの特色があるんだな。グレイヴィア王国も興味深い場所だよな。」
「そうだな。グレイヴィア王国は、冒険者たちが集まる挑戦の地だったな。王族は英雄の血を引いていて、国民からの支持も厚い。農業が盛んで、鉱山も豊富だぜ。それに・・・」
僕は隣のテーブルから聞こえる会話を楽しみながら、目の前にある大量の食事に手を伸ばしていったけど、隣のテーブルのひとから声をかけられた。
「それにしてもよ、兄ちゃんはよく食べるな!」
「そりゃあ成長期だからだろうさ!」
僕は隣の人にエールを奢り、色々な国のことを教えてもらった・・・
以下は物語の背景についての説明文です。
興味の無い方は読み飛ばして頂いても大丈夫です!
**エルディア大陸の国々**
物語の舞台となる大陸は5つの国で構成されている。
1. **ノルディア**
- 北方に位置するノルディアは、厳しい寒さと氷に覆われた地域です。勇敢な戦士と強力な魔法使いが多く、彼らの文化は生存と名誉を重んじます。ノルディアの人々は、冷たい気候にも負けず、独自の魔法技術で繁栄しています。
- **政治体制**: ノルディアは、古代から続く王族が治める王国です。王家は強力な魔法の血筋を引き、国民からは神聖視されています。王国の決定事項は、魔法使いで構成される評議会によって支えられています。
- **経済**: ノルディアは、魔法鉱石と呼ばれる貴重な資源を産出します。この鉱石は魔法具の製造に不可欠であり、他国との貿易で高い価値を持っています。
- **社会構造**: 勇敢な戦士と魔法使いが社会の上層部を形成し、彼らは名誉と伝統を重んじる貴族階級です。一方で、一般市民は厳しい気候に耐えながらも、共同体意識が強く、互いを支え合って生活しています。
2. **エステリア**
- 大陸の東部にあるエステリアは、豊かな森林と穏やかな気候が特徴です。農業と狩猟が盛んで、自然と共生する知恵が受け継がれています。エステリアの人々は、自然の恵みに感謝し、森の精霊を崇拝しています。
- **政治体制**: エステリアは、選ばれし者が治める神聖な共和国です。指導者は森の精霊によって選ばれ、民衆の意志を反映する政策を実行します。
- **経済**: 農業が盛んで、特にエステリア産の果物は大陸全域で高く評価されています。また、木材や薬草も重要な輸出品です。
- **社会構造**: 自然と共生する生活を送るエステリアの人々は、平等主義を重んじ、階級差をあまり感じさせない社会を築いています。農民、狩人、そして森の守り手たちが、互いに協力しながら暮らしています。
3. **ソルディア**
- 南部の砂漠地帯に広がるソルディアは、過酷な環境の中で独自の文明を築き上げました。水は貴重な資源であり、ソルディアの人々は水を巡る争いを避けるための高度な交渉術を持っています。
- **政治体制**: ソルディアは、水の管理を司る評議会が支配する技術主導の国です。評議会は水資源の公平な分配を保証し、国民の生活を安定させています。
- **経済**: 砂漠の中での生活は困難ですが、ソルディアは太陽エネルギーと砂漠の特殊な鉱物を活用した技術で繁栄しています。これらは他国への重要な輸出品となっています。
- **社会構造**: 水を中心とした生活が、ソルディアの人々に協調性と助け合いの精神を育んでいます。水の管理者は社会的に高い地位を持ち、水を巡る争いは厳しく禁じられています。
4. **ウェスタリア**
- 大陸の西端に位置するウェスタリアは、海洋国家であり、強力な海軍と豊富な海の資源を誇ります。航海術と貿易で栄え、多様な文化が交差する国です。ウェスタリアの人々は開放的で、新しいアイデアを受け入れることに積極的です。
- **政治体制**: ウェスタリアは、海洋貴族によって治められる貿易国家です。海洋貴族は、航海と貿易に関する知識を受け継ぎ、国の富を増やすために働いています。
- **経済**: 海の資源と航海術により、ウェスタリアは大陸の中でも特に豊かな国です。海産物、塩、そして貴重な珊瑚などが主な輸出品です。
- **社会構造**: 船乗りや商人が社会の中心となり、彼らは冒険と発見を重んじる文化を持っています。一方で、海洋貴族と一般市民の間には、経済的な格差が存在します。
5.**グレイヴィア王国**
エルディア大陸の南西に位置するグレイヴィア王国は、豊かな自然と肥沃な土地に恵まれた国です。冒険者にとっては、未知のダンジョンや危険な魔物が潜む挑戦の地であり、勇気と力が試される場所です。
- **政治体制**: グレイヴィア王国は、選ばれし英雄の血を引く王族によって統治されています。王族は国民からの絶大な支持を受け、公正で寛大な治政を行っています。王国の政策は、各地域を代表する貴族たちの協議によって決定されます。
- **経済**: グレイヴィア王国は農業が主要な産業であり、特に穀物と果物の生産に優れています。また、国内には多くの鉱山があり、金属資源の輸出も盛んです。
- **社会構造**: 貴族と平民の間には一定の階級差が存在しますが、王国は教育と平等な機会を提供することで、社会的流動性を促進しています。冒険者ギルドは社会的地位が高く、若者たちの間で冒険者になることは名誉なこととされています。
首都ギャラックは壮大な城壁に囲まれた都市で、冒険者ギルドの本部が置かれており、多くの冒険者たちが集う場所です。ギャラックは商業と文化の中心地でもあり、国内外からの商人や芸術家が集まり、活気に満ちています。
サニタル町は、ギャラックの北東に位置する小さな町で、辺境の町としては珍しく、冒険者たちが立ち寄る宿場町として栄えています。町の住人は温かく、旅人を歓迎する心を持っており、多くの冒険者がここで休息と補給を得ています。
**通貨単位**
これらの国々は、それぞれ独自の通貨単位を持ちながらも、エルディア大陸全体で【グレイブ (g)】が広く使われており、経済的な結びつきも強いです。また、各国は古代の勇者ガレス・グレイブの伝説を共有しており、彼の精神は大陸全体に影響を与えています。
**エルディア大陸の神々**
エルディア大陸は、創造神**アルミナス**によって作られたと伝えられています。アルミナスは、宇宙の調和と秩序を司る最高神で、彼がこの世界を形作った後、多くの神々を創り出しました。以下は、エルディア大陸で特に信仰されている神々です。
1. **ガイアナ**
- 大地と豊穣を司る女神。農民や狩人たちに特に崇拝されており、収穫祭では彼女への感謝の祈りが捧げられます。
2. **セレスティア**
- 星と運命を操る女神。占星術師や航海者たちは彼女の導きを求め、夜空に輝く星々を通じて彼女の意志を読み解こうとします。
3. **ヴァルカン**
- 火と鍛冶の神。武器や防具を作る鍛冶師たちは、彼の祝福を受けるために炉の前で祈りを捧げます。
4. **アクアリス**
- 水と治癒を司る神。治療師や水を扱う者たちは、彼の慈悲と癒しの力を信じています。
5. **テラノス**
- 風と旅を守護する神。旅人や商人たちは、安全な旅路と良い取引を願って彼に祈ります。
6. **ルミナ**
- 光と知識の女神。学者や魔法使いたちは、彼女からの啓示と知恵を求めます。
これらの神々は、エルディア大陸の人々の日常生活に深く根ざしており、各地で様々な祭りや儀式が行われています。神々の教えは、道徳や法の基礎となっており、社会の秩序を保つ重要な役割を果たしています。
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