第6話

時は、深夜11時過ぎであった。


またところ変わって、伊予港の内港の岸壁にて…


ぐでんぐでんに酔っている私は、セブンスター(たばこ)をくゆらせながら海を見つめながら考え事をしていた。


あいつはなんで…


大学にフクガクしろと命令した…


ふざけるな…


あのチャラ男は、ものすごくイラつく…


その前に、清掃のおばちゃんから言われたあの言葉もイラつく…


幼稚園から小学校〜中学校〜高校〜大学までドーキューセーと同じガッコーに通う…


就職する会社もドーキューセーと一緒…


なんでドーキューセーと同じ生き方をしなきゃいかんのだ…


自分の子供が仲間外れにされるのがイヤに決まってるのだよ…


◯◯くんが□高を受験するからうちの子も□高を受験する…


◯△くんが▽大へ進学するからうちの子も▽大へ進学する…


□▽くんがあの料理を頼んだから同じものを頼む…


日本このくには、どこのどこまでふざけているのか…


自分の子供が仲間外れにされたので悲しんでいる表情を見たくないからと言うた親御おやが幸せはその程度かと言いたくなるよ。


子が望む幸せと親御おやが望む幸せに違いがあって当然だ。


一流大学卒業後一流企業に就職すると言う日本このくにのフウチョウがいらつく…


ドーキューセーと同じ生き方をする主義を望む親御おやの考え方もイラつくわ…


なんだよ一体!!


…………


思い切りブチ切れた私は、吸いかけのたばこを海になげすてた。


私は、ジーンズのポケットの中からセブンスターの箱を取り出した。


箱の中には、たばこが一本だけ残っていた。


私は、最後の一本を箱から取り出したあと口にくわえた。


(カチッ…)


その後、電子ライターで点火したあと口にくわえているたばこに火をつけた。


そして、いっぷくくゆらせた。


私はこの時、つらかった子ども時代をまた思い出した。


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