第121話 田舎で過ごした特別な時間 feat. 爆乳ブラがデカすぎる。
ツガイのカブトムシを捕獲した俺たちは、他の仕掛けも確認したものの、木に塗りたくった蜜の方は小さな虫が集まっているだけで肝心のカブトムシはいなかった。
結果的にこのストッキングでやったバナナトラップが一番効果的だったということか。
「獲れたのは、オスとメスのカブトムシ2匹っ! やったね諒太っ」
家への帰り道も、愛莉は虫かごの中を覗きながら嬉しそうに言う。
何はともあれ、愛莉がご機嫌で良かった。
カブトムシがいなかったらどうなるかと心配していたが、ちゃんといたな(ヤることヤっててビビったが)。
「でも2匹ってどうなんだろう。普通はもっと獲れるものなのか?」
「うーん。そりゃ、もっとたくさん獲れる時もあるとは思うけど、愛莉は大満足だよ?」
そう言うと、愛莉は虫かごの中を指差す。
「オスの名前はリョータで、メスはアイリって名前にするのっ!」
「え? カブトムシに、俺たちの名前?」
「だって捕まえる前からこんなに身体をくっ付けて仲良しなんだし、そんなに仲良しなら愛莉たちの名前がピッタリでしょ?」
お、おいおい、それだと俺と愛莉が既に"行為"をするような関係ということになってしまうのだが……。
「いいよね、諒太?」
「え、お、おう。別に俺は構わないけど」
「じゃあ決まりっ。これからキミたちはリョータとアイリだよー」
俺たちの名前を付けるのは構わないが……カブトムシの命は短い。
2匹には少しでも長生きして欲しいものだ。
(このオスをリョータって名前にしたんだし、どうにか俺も童貞卒業したことにならないかな)
カブトムシでさえ童貞卒業してんのに、俺と来たら……このままだと一生卒業できなそうだもんなぁ。
(昨日の夜だって、愛莉と一緒の部屋で寝たのに、エロいことは一切起きなかったわけで……はぁ)
でも愛莉の場合はこうやって子どもじみた遊びをしてる方が、本人だって楽しいよな。
「あ! またリョータがアイリの上に乗ってるー! ほんと仲良しだねー」
身体はグラドル、性知識はその辺の小学生と同等レベルの愛莉でも、いつかは誰かと『大人の遊び』を覚えるのだろう。
こんなに胸がデカくて顔も可愛いんだから、もし都会の大学にでも行ったら、真っ先に……。
そう考えるとなんとなく心がモヤっとする。
「諒太諒太っ! 優里亜と瑠衣ちゃんにもカブトムシの写真送ってあげたいから、愛莉とカブトムシ一緒に撮ってー」
「…………」
「ん? 諒太?」
モヤモヤしながら歩いていると、隣を歩く愛莉が俺の服を軽く引っ張った。
「どしたの? ムスッとして」
「あっ……いや、なんつうか、さ……愛莉には、そのままでいて欲しいって思って」
「愛莉が、そのまま?」
自分でも何を言っているのかよく分からないまま口にしてしまい、愛莉に聞き返されてしまう。
急に何言ってんだ俺!
そのままでいて欲しいとか、別に俺は愛莉の何でもないのに、偉そうに!
「変なこと言ったよな! ご、ごめん!」
「ううん。ぜんぜん変じゃないよ? そのままの愛莉、っていうのはよく分からないけど、愛莉はずっと愛莉のままだし、諒太とも……ずっと一緒だからね?」
勝手にモヤモヤしていた俺とは対照的に、愛莉は嘘偽りない満面の笑みでそう答える。
ずっと……か。
「ありがとう愛莉。俺さ、愛莉はいつも通り子どもっぽい方が良いからさ、いつか愛莉も大人になっちゃうのかと思うとちょっと嫌だったというか」
「もー! 愛莉は子どもじゃないもん!」
「いや、今のは言葉のあやで」
「でも諒太が今の愛莉が良いって言うなら、愛莉はそのままでいよっかな? てか、大人の定義もよく分かんないし!」
愛莉はニカッと白い歯を見せて笑う。
100点の笑顔に、たゆんと揺れる爆乳。
彼女ほど愛らしい女子は、初めて見たかもしれない。
これだけ破壊力があると、もし愛莉が子どもっぽくなかったら、今ごろ全校の男子を食ってたかもなぁ……なんて考えてしまう。
「ていうかそれより写真! 愛莉とカブトムシたちの写真撮って!」
「しゃ、写真?」
「優里亜と瑠衣ちゃんに送ってあげないと!」
「二人とも虫が苦手なんだから、送らない方がいいと思うけど」
「いいのっ! 特に瑠衣ちゃんは、何かあったら逐一報告しろってうるさかったし」
その「何かあったら」は違う意味だと思うが……。
俺は苦い顔をしながらも、愛莉が笑顔で虫かごを持つ姿を写真に収めるのだった。
☆☆
2日間にも及ぶ虫取りが終わり、朝10時のバスで帰ることにした俺たちは、帰り支度を済ませて玄関まで移動した。
愛莉は大事そうにリョータとアイリが入った虫かごを抱えており、その代わり俺は愛莉の荷物を運ぶことに……いや、バ●ルドー●は置いて行って欲しい。
「じゃあおばあちゃん、もう行くね?」
「い、色々とありがとうございました。ご飯美味しかったです」
「おほぉ、礼には及ばんよぉ。それより……」
BBは何やら赤いモノを自分の懐から、そっと取り出す。
「ほれ愛莉。あんたのブラを直しておいたよ」
BBは懐からローズレースが入った真っ赤に染まった特大ブラを……って、こここここ、これは!
あ、愛莉の爆乳ブラじゃねえかッッッ!!!
「ちょ! もうおばあちゃん! 諒太の前で出さないで!」
「あれれ、ごめんねえ。ボケが始まってきてるかねえ」
と言いつつもBBは俺にウインクして来る。
元爆乳のおばあちゃんなだけあって、男の悦ばし方をよく分かってやがる……さすがBBだぜ。
「諒太、今の見た?」
「見……たけど、意外と、大人のブラなんだな?」
「むぅぅ! 大きさ的にこれしか無いの! もう忘れて!」
「は、はぃ!」
こうして波乱だった虫取り旅は、平和に幕を閉じた。
さて……帰ったらどっかの誰かさんによる"お仕置き"が待ってるな。
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長そうで短かった愛莉との夏休み(田舎編)が終わりましたー。
次のパートからは
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