電話対応
プルルルルルル
そんな機械音を鼓膜が取られる度に、心臓が一回り小さくなる思いだった。
電話対応。
初対面かもしれない、顔の見えない相手と会話をしなければならない。
オート発動のデバフスキル『人見知り』を発動させた僕は、電話を取るのを一瞬だけ躊躇ってしまい、他の人に受話器を奪われてしまう。
当然、一年目の僕が一番に電話を取らないなんて考えられない。
だから先輩たちからひどく冷たい視線を向けられる。
(完全な被害妄想だし、そんな視線を向けられたとしてもおかしくはないのだが)
それでやっとの思いで、電話を取ることができても、前回書いた通り正しい敬語を使うことができないため、ポンポンと会話は進まない。
わからないことは何でも聞けと言われているため、また先輩に上手く電話対応するにはどうしたら良いか尋ねた。
先輩曰く、「何回も電話を取り、経験を積むしかない」らしい。
その前に僕の貧弱メンタルが叩き潰されないようにしなければ。
もうすぐ社会人になってから一ヶ月。もう少しまともな社会人にならなければ。
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