第3話 地面時々水

登場人物


華恋かれん

性別:女

学年:高校1年生

身長:156

好きなもの:フルーツジュース、シール集め。


亜美あみ

性別:女

学年:高校3年生

身長:164

好きなもの:コーヒー牛乳、散歩。


あかね

性別:女

学年:高校1年生

身長:155

好きなもの:カレーパン、綿毛型の観察。


真海まみ

性別:女

学年:高校3年生

身長:167

好きなもの:鶏肉、運動。







あかねちゃん。綿研わたけん行こう。」


そう華恋かれんが茜に声をかける。


「うん。」


そう返事を返すと茜は立ち上がる。


「今日はどんな綿毛型わたげがたに会えるかな?」


そう華恋はワクワクする。


「何度も言うけど、そう簡単には会えないんだよ?毎日会えると思わないほうがいいよ。」


そう茜が冷静な言葉を返す。


「ふっふ~。茜ちゃん。

私の言霊ことだまめてもらっちゃぁ困るなぁ。」


そう自信満々に華恋が言う。


(確かに昨日は凄かった。

・・・少し期待してみよう。)


そう茜は心の中で思う。


🔍


華恋と茜が部室の扉を開けると

そこには亜美あみの他に1人、知らない女子生徒が居た。


「おっ。君達が新入部員の2人?」


そう女子生徒が2人に話しかける。


『どちら様ですか?』


そう華恋と茜が声を合わせて尋ねる。


「あぁ。ごめん、ごめん。

私は一応この部の部員で3年の“真海まみ”。

よろしく。」


「へぇ。私達以外にも部員がいたんですね。」


そう華恋は驚く。


「まぁ、陸上部とかけ持ちだから、たまにしか顔出さないけどね。」


「なるほどレアキャラですか。」


そう1人納得した様に華恋は頷く。


「もしかして他にもレアキャラが?!」


そう少し興奮ぎみで華恋は亜美に尋ねる。


「嫌。部員はウチ等4人だけだ。」


そう亜美が答えると華恋は残念そうな顔をする。


「そこまで落ち込まんでも。」


そう亜美が華恋に言葉をかける。


🔍


「部長!!今日も早速、綿毛型を探しに行きましょう!!」


そう華恋はやる気満々だ。


「今日はパ~ス。

魔獣まじゅう体術たいじゅつ訓練くんれんで体力を使いすぎたから

もう歩けない。」


そう亜美はだるそうに答える。


~魔獣体術訓練~

この世界には魔獣と呼ばれる凶暴な生き物が存在する。そんな生き物達と出会ってしまった時のために体術を覚える授業の事を魔獣体術訓練と呼ぶ。

※この設定が今後の物語に影響あるかは

作者にも分かりません。


「そんな授業があるんですか?」


そう怯えた様子で華恋が尋ねる。


「まぁ、危険な授業だから特別な申請しんせいがいるけどな。申請さえ通ったらお前達でも受けられるぞ?」


(絶対に受けたくない。)


そう華恋と茜の運動音痴コンビは心の中でシンクロするのであった。


「そうか。じゃぁ、仕様しょうがない。

部長抜きで探しに行きますか。

ねぇ、茜ちゃん。真海先輩。」


そう華恋は明るい表情で2人に声をかける。


「ワレもパス。」


そう冷たく茜が答える。


「えぇ!!なんで?!」


そう華恋が顔を茜に近づける。


「ワレは探索ではなく、運命的に綿毛型と出会いたいの。」


「なにその乙女チックな理由。」


そう華恋がツッコム。


(絶対、疲れるのが嫌なだけだな。)


そう亜美は心の中で思う。


「そう言えば、さっきグラウンドで“ブルー”を1匹見かけたよ。」


その真海の言葉に素早く反応した茜は立ち上がる。


「何をしてるの?華恋。

早く行くわよ。」


そう茜が態度を急変させる。


「わおぉ。さっきと言ってる事が真逆だぁ。」


そう華恋の心からの言葉がもれる。


その後、2人は仲良く部室を出て行く。


「あんたは本当に行かないの?」


そう真海が亜美に尋ねる。


「う~ん。これ以上動いたらウチは家に帰れなくなる。」


「散歩だと永遠にできるくせに何で魔獣体術訓練だと体力が無くなるの?」


「ウチは自分のペースでのんびりできないと疲れるんだよ。

だから、散歩が1番ウチにはあってるの。」


「さいで。」


そう答えると真海は華恋と茜の後を追って部室を出る。


🔍


「この子が真海先輩の言ってたブルーかな?」


「多分。」


そう華恋と茜が1匹の青い綿毛型を見つめながら話す。


「ねぇ。ブルーはどんな感触だっけ?」


そう華恋が茜に尋ねる。


「ブニョブニョ。脂肪しぼうみたいで気持ちがいい。」


そう答えながら茜はブルーに触る。


「本当だ~ぁ。気持ちいい。」


そう華恋も幸せそうな顔で触る。


そんな2人が地面に


🔍


「え~と。あの2人はどこだ~?」


そう真海が華恋と茜を探していると地面に2人を発見する。


「2人共ー!!」


そう叫びながら真海は2人を引き上げる。


『し、死ぬかと思った。』


そう華恋と茜は声を合わせる。


「地面を水に変える魔術か。

とんでもない魔術を持ってるのね、この子。」


そう言いながら真海は目の前のブルーを見つめる。


そのブルーが風に飛ばされていく。


「あ、あぁ。まだ写真を撮ってないのに。」


そう残念そうな声で茜はブルーに手を伸ばす。


「安心して茜ちゃん。

写真なら私が溺れながら撮ったから。」


そう言いながら華恋がスマホの画面を茜に見せる。


「意外と余裕あったのね、あなた。」


そんな真海の冷静なツッコミが入る。


だが、撮られた写真はブレブレだった。


「華恋。これでは何が何だか分からないわ。」


そう茜が言う。


「ブルーちゃーん待ってー!!」


そう空高くに居るブルーに華恋は叫ぶ。


そんな華恋の姿に微笑みを見せる真海のスマホが鳴る。


「おっ。亜美からメッセージだ。」


〔やっほー。真海。見て見て。

部室に入ってきたホワイトの魔術でウチの左ほっぺたがれちった。〕


そんなメッセージの後に左ほっぺたを腫らした亜美の写真が送られてきた。


「何をやってんだ?あの自由人は。」


そう真海は呆れた声で呟くのであった。


〈今回の綿毛型の魔術〉

地面の1部を水に変える。

     &

生物のほっぺたを膨らませる。

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