第26話

「反応が あやしかったですよー」


 サフィスが、ホワイトローリエに疑いの目を強くする。


「けっして あの者がわたしの好みのタイプで装備をおごったりなんてしてないですわ」


 あっさり、しゃべってしまうホワイトローリエ。


「へぇー

それで 初心者があんな装備をねぇ」


 ハマオニールだと、気がつくのが遅れたマリン。


「知らなかったとはいえまさか女だったとは

トホホ」


 男の冒険者みたいな身なりで、ダマされるのも無理はない。


「誰にでも失敗は ありますよ

気を 落とさないでください」


 オレが、落ち込むホワイトローリエを元気づけると、


「マスター

お優しいのね」


 上目遣いするホワイトローリエ。


「いや

別にそんな」


 非常に、イヤな予感がする。


「料理の出来る男性もタイプですの」


 ほほが、紅潮するホワイトローリエ。


「えっ」


 ヤバいかも知れない。


「ハア ??」


 マリンが、キレそうだ。


「あの~ホワイトローリエ姫?」


 暴走する前に、止めないとね。


「はい~なんですの ??」


 うれしそうな、ホワイトローリエ。


「ウチのパーティーはさ

やっとこさ丸くおさまったところなんだよ」


 頼むから、波風を立てないでよー。


「よろしいではないですか?」


 ニッコリと、ほほえむホワイトローリエ。


「よろしくないよろしくないわよ」


 マリンが、つっこむ。


「えーなんで ??」


 きょとんと、するホワイトローリエ。


「楽しそうじゃの」


 不意に、男の声がする。


「えっ

誰だ」


 周囲を、見回すパーティーメンバー。

 あれ、空耳かな。


「ゴブリン!?」


 二頭身の、緑色したのが杖を持って立っている。

 小さいこいつが、しゃべったのか。


「我はただのゴブリンではないぞ

黒魔導師───」


 そう、ブツブツ言っている途中で、


「二頭身だから カエルのモンスターかと焦ったわ」


 カエルが、ニガテなメンバーもいるからね。


「だよねだよね」


 カリスも、笑って答える。


「どこから声がしているかわからなかったわ」


 マリンも、ホッとして笑う。


「おい お主ら聞こえておるのか ??」


 両手を、上げて振る緑色のモンスター。


「さて 行くか」


 変なところで、足止めをくってしまった。


「そうね」


 サフィスも、モンスターにふれない。


「ムッ

無視しおって………

これでもくらえ」


 杖を、振り上げて、


ピトッ………


ピトッピトッ………


 一人一人に、杖の先をタッチする緑色のモンスター。


「なんだ なにがしたいんだ?」


 特に、ダメージは無いけどな。


「なーに

お主らを 初心者に戻したまで」


 意味深な、ことを言う緑色のモンスター。


「なにを言って………

ステータスオープン」


 数値に、異常は………

 アレッ?


「え゛ッ」


 目が、点になるマリン。


「うそぉ」


 ビックリするオレ。


「なに? わたくしはなにも変わらないわ」


 サフィスは、変化なし。


「え゛」


 ビックリする、緑色のモンスター。


「なにが起きている!?」

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