第25話
「ハァハァ
どこ行った」
ハマオニールが、逃げた方向に追いかけてみる。
「ハァハァ」
山道を、つまずきながら走っているハマオニール。
「いた
待てぇ」
徐々に、距離をつめていく。
「しつこいな
アタシのことは忘れてよ」
なぜか、半ギレ状態のハマオニール。
「そうはいくかよ
ッっとっと」
きびすをかえして、戻るハマオニール。
捕まえそこねて、よろつくオレ。
「おーい
そっち行ったぞ捕まえろー」
やっと、起きたマリンたちに指示するのだが、
「えーっ
どこよー」
まだ、寝ぼけているようだ。
「ハッ !!」
疾風のごとく、マリンたちをかわすハマオニール。
「ぅわーーっ」
数寄屋橋カリスの、肩を掴んで空中で一回転するハマオニール。
「なにやってんだマリン」
よろついて、重なるように倒れるパーティーメンバー。
「ごめんなさいマスター」
あやまるマリン。
「ダンジョンに 入らせるな」
あわてて、立ち上がるが、
「あー」
ダンジョンに、消えていくハマオニール。
「ウソだ
入って行ったの止められないなんて」
相手は、初心者だぞ。
「マスター !!」
マリンが、ビックリした声を出す。
「どうした ??」
なんだろ?
「朝食用の肉が !!」
かごの中身が空だ。
「あーぁ
全部食べられちゃったな」
余分に、作っていたミルフィーユカツも余っていた肉も食べられたようだね。
「あの野郎
マスターの作ったメシを勝手に喰いやがって」
マリンが、地団駄を踏む。
「まぁそれはイイとして
とりあえず ハマオニールは生きているし
このダンジョンの中にいるってわかっただけでもヨシとしよう」
ツアーで、死者を出していないとホッとする。
「………まぁ
そうよね」
サフィスが、うなずく。
「とりあえずダンジョンに入ろう
荷物を まとめて」
残った食料を、まとめるオレ。
「わかったわマスター」
カリスが、答える。
「よし入ろう」
そう言って、入ろうとした時、
「お待ちください」
止めるホワイトローリエ姫。
「ん? どうしたの ??」
いきなり、なんだろ。
「夜が明けるまでここにいた方がよいのではないでしょうか ??」
待機するように、提案するホワイトローリエ。
「えっ
この中にいるとわかった以上なるべく早く捕まえないと」
レベルが、これ以上あがってくれても厄介だし。
「そうだぞ
マスターを困らせるな」
マリンが、注意する。
「えぇ そうよね」
しぶしぶ納得するホワイトローリエ。
「よし もぐろう」
親指を、ダンジョンに向ける。
「「ハーイ」」
サフィスとマリンとカリスとエドワードが右手をあげる。
「さすが 初心者用だけあってモンスターが弱いな」
剣を、抜いた波動でスライムを倒すオレ。
「そうよね
サクサク進むわ」
少し、退屈そうなマリン。
「それにしても立派なメットガードを付けていたな
あれは 正騎士以上が付けるものと思っていたがなぜ………」
あきらかに、初心者には不釣り合いだよ。
「ギクッ」
ホワイトローリエが、体をビクリと動かす。
「ホワイトローリエ姫
なにかご存知ありませんか?」
サフィスが、すかさず聞く。
「なっ
なんですのいきなり」
かなり、動揺するホワイトローリエ。
「やっぱりなにか知ってるな」
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