第24話
「お姉さまは
まだ戻らないのね」
姉の、ホワイトローリエ姫のベッドの脇で特技の幽体離脱をした姉の魂の帰還を待っているエミーゼ姫。
「………ぅ
うん」
死んだように、横になっていたホワイトローリエ姫が、うなされている。
「お姉さま !!」
ホワイトローリエの肩を、揺らすエミーゼ。
「ハァハァ………
戻ったわエミーゼ」
上半身を起こして、大きく胸を上下に呼吸するホワイトローリエ姫。
「それで マスターサーベルティガーは見つかりましたか ??」
エミーゼが、そう聞くと、
「………いえ
まだ探している途中よ」
なぜか、エミーゼにウソをつくホワイトローリエ。
「そうですか………」
肩を、落とすエミーゼ。
「このホワイトローリエが 必ず見つけてあげるからね
心配しないでね」
エミーゼに、安心するように言うホワイトローリエ。
「わかりましたわ
お姉さまは 意中の男性と逃避行するんです
ものね」
姉の影響で、あせるエミーゼ。
「そうよ
昨日会ったばかりなのに
遠い目をするホワイトローリエ。
「あの方って どこから来たとか言ってなかったですか ??」
そう聞くエミーゼだが、
「どこから来たとは言ってなかったですけど」
「けど ??」
場所は、聞いてないと言うホワイトローリエ。
姉に、つっこむエミーゼ。
「ダンジョンツアーから抜け出したとか言ってましたわ」
なんとなく、聞いたことを言うホワイトローリエ。
「なんですの? そのダンジョンツアーとは ??」
この世界に、好き好んでダンジョンを観光しようなんて酔狂な人はいないのだ。
「よく わからないの
くわしく聞く前にどこかへと行ってしまわれたの」
残念そうなホワイトローリエ。
くわしく言えない事情が、その人物にはあった。
「そうなのね
もう今日は ゆっくり休んでお姉さま」
疲労しているホワイトローリエを、気づかうエミーゼ。
「そうね」
また、横になるホワイトローリエ。
「私が無理言ってしまって申し訳ないわ」
あやまるエミーゼ。
「イイのよ
わたしは この城を出て本当に自由な生活がしたいだけなの」
幽体離脱ではなく、自分の体で外を歩きたいホワイトローリエ。
「わかったわお姉さま
必ずマスターサーベルティガーさまと結ばれてこの国を守る」
再び、決意を固めるエミーゼ。
「うん 頑張って
わたしは 寝に戻るわ」
また、魂が抜けるホワイトローリエ。
「うん? またね」
その頃
「………ぅ」
いかん。
眠ってしまったようだ。
焚き火の、炎が揺れる。
マリンに、見張りを頼んでいたのだが船を漕いでいる。
「………」
なんだ、起きている人がいるじゃん。
立って、なにもしゃべらずオレを見ている。
「うん? あれ」
西洋の、鉄ヘルメットをかぶった人物。
こんな、パーティメンバーいたっけ?
「………えっ
お前は誰だ」
ハマオニールに、一瞬似ている気がしたが頭がハッキリしない。
「………
チッ追いかけて来たのか」
苦々しい顔をするヤツ。
「まさか ハマオニール !!」
オレは、確信した。
「なんですの? あッ」
ハマオニールの顔を見るホワイトローリエ。
「待てぇ !!」
急に、立ち上がってフラついてしまう。
「おい みんな起きてくれ」
マリンを起こそうと、揺らすが、
「ムニャムニャ
もぅ食べりゃりゃないよお腹いっぱい」
夢を、見ているようだ。
サフィスを、揺らす。
「んッ
マスタァァァ」
………
カリスなら、すぐ起きるかも。
「あたいだけ推してねぇマスター
すっごーい」
ダメだ。
「オレだけで追うか………」
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