第23話
「ここが ハマオニールが潜ったダンジョンか………」
穴の高さが、4メートルほどの洞窟がクチを開けている。
「そうみたいね」
とりあえずは、魔物の気配は無いようだ。
「とりあえず ここで1泊しよう
ダンジョンから出て来るかも知れないし」
洞窟の出入口で、待ってみることにする。
「そうよね
どうせ初心者だし」
きっと、コワくなって出て来ると言うマリン。
「それじゃあオレはイノシシっぽいモンスターを狩ってくるよ」
お米や小麦粉や調味料は、持ち運んでいるが肉は買うか狩らないといけない。
「お供いたしますわ」
サフィスが、同行してくれるみたいだ。
「あぁたのむよサフィス」
森の中で、動物を狩るにはちょうどイイ感じだ。
オレの剣は、長すぎる。
「いってらっしゃい
火をおこして待ってるね」
マリンが、チラッとカリスを見る。
「あぁ
お米を 炊いておいてね」
火をつけるのは、カリスだろうから水属性のマリンに、お米を任せる。
「わかったわマスター」
うれしそうなマリン。
「さぁ 行こう」
「はい」
深い森に、入って行く。
「たしかこの辺にイノシシが生息しているハズ」
ガサッ
下草が、揺れる。
「よし 出て来たか………って」
めちゃくちゃデカいクマが出て来た。
「「グリズリー」」
声が、そろう。
「ちくしょう
めんどうだなー」
一応ロングソードを抜くが、木々が密集していて振れない。
「では わたくしが」
サフィスの両腕に、金色の腕輪があって緑色の布がたれ下がっているが、布地の固さを変えられたり、マジックハンドのように使える。
「うん 頼む」
「はい マスター」
「グアーーーッ」
立ち上がって、襲って来るグリズリー。
すごいスピードで、突進して来る。
「おっとあぶない」
華麗に、回転しながらかわすサフィス。
「ガウ」
木に、ぶつかって止まるグリズリー。
「気をつけろよサフィス !!」
ギリギリで、かわすのを楽しんでいるな。
「あら お気遣いありがとうございます
ウフッ」
不適な笑みを、うかべるサフィス。
「グアーーー」
頭を振り、突進するグリズリー。
「ちょっと スロウをかけさせてもらいますね」
グリズリーの、動きがゆっくりになる。
「ガウガウ」
意識との違いに、戸惑うグリズリー。
「はーッ」
緑色の布が、鋼鉄のように固くなりグリズリーの肉を切り裂く。
「ガオオオ」
腕を振って、サフィスに攻撃しようとするグリズリーだが、
「はッはッはーあ゛」
グリズリーの、体じゅう虹のメーターが出る。
「グォォォォォ」
最期の雄叫びをあげて、食用の肉塊に変化する。
「はい マスター
できましたよ」
塊を、1つ抱えてニコッと笑うサフィス。
「うん イイね
持って行こう」
オレも、1つ抱える。
「はい マスター」
両肩に、塊を担ぐサフィス。
「あー
どうだった収穫は ??」
カリスが聞くので、
「グリズリーだからミルフィーユカツを作ろうと思うよ」
メニューを言うと、火の調整をしていたマリンが顔をあげる。
「わーい」
よろこぶマリン。
「まず 肉を薄く切って片面にコショウを軽く振ってそして小麦粉をまぶす
ミルフィーユ状にして卵に浸してパン粉を付けて揚げる」
オレが手際よく、調理する。
「おおっ」
食事後
「おいしかったわ」
固くて、食べにくいグリズリーがやわらかく食べられた。
マリンが、ニコニコしている。
「よかった」
みんな、しあわせそうだ。
「それにしても 出て来ないわね」
カリスが、洞窟を見つめる。
「とりあえず 朝まで待ってみるか」
みんな、眠る準備をはじめる。
「そうよね」
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